紺碧の秋晴れの下、会津の名山で紅葉と眺望を満喫
猫魔ヶ岳山 1404m 2015年10月4日
磐梯山 1819m 2015年10月5日
紅葉シーズン幕開けの季節に、磐梯ゴールドラインの最高地点・八方台から西の猫魔ヶ岳、そして翌日は東に位置する会津のシンボル磐梯山へと贅沢な山旅を楽しんだ。磐梯山は1年越しの登頂となったが、やはり期待を裏切らなかった。この上ない快晴の天候に恵まれ、360度に広がる素晴らしい大パノラマが待ち受けていた。
都内をバスで出発して4時間余。ブナ林に囲まれた登山口の八方台にはすでに多くの車が駐車し、秋の山歩きを楽しもうとする登山者でにぎわっていた。11時前、いつものように準備体操をし、登山届を登山口のボックスに入れ、道標に導かれて登山道に入る。猫魔ヶ岳やまびこ探勝路と名付けられた樹林の中の歩きやすい道だ。
天気は上々。暑くもなく寒くもない。ダケカンバの白い幹が紺碧の空の青さに映えて素晴らしい。猫魔ヶ岳の山頂までの単純標高差は200m余りだが、途中アップダウンを繰り返す。頂上直下はひときわ傾斜がきつくなるが、そこを越えると、展望に恵まれた猫魔ヶ岳の山頂=写真右=が待ち受ける。これから向かう雄国沼が指呼の間にあり、その向こうに飯豊連峰の山並みも見える。少し風が出てきたため、風を避けて昼食をとる。
さらに雄国沼休憩舎を目指す。急坂を下り、沢を4か所ほど渡渉し、それまでの樹林帯からようやく抜け出したと思ったら、眼前に雄国沼が大きく広がっていた。沼のほとりで、日のあたりもいいせいか、このあたりの紅葉の色は一段と鮮やかだ=写真下=。山ならではの素晴らしい秋色が展開している。今年一番の紅葉だ。休憩舎で一休みしたあと、雄子沢登山口まで1時間ちょっと一気に下る。登山口に待機していたバスの運転士Oさんが山道まで出迎えにきてくれ合流する。全員そろって無事にバスに乗車し、宿泊予定の休暇村裏磐梯まで直行した。
色づき始めた秋の山をたっぷり堪能し、湯につかり、談笑しながらのバイキング料理で一日を終えた。
二日目は、8時過ぎ、バスで再び八方台に到着。昨年大雨で断念した磐梯山に再チャレンジだ。登山道は猫魔ヶ岳同様、初めはとても快適な歩きやすい道が続く。ブナ林の穏やかな道をしばらく行くと、いきなり視開が開けて中ノ湯跡に出る。辺り一帯、硫化水素の臭いがしてくる。登山道に吹き出す湧出水に触れてみるとほとんど水同然に冷たい。すぐ近くに廃屋が見られる。かつての温泉場だったのだろうか。
ここからは傾斜がだんだんきつくなり、木の根っこと大きな石が出てくる。谷側には危険防止用のトラロープが張ってある。根っこに足をとられないよう高度を上げていく。途中、荒々しい火口壁が覗き、裏磐梯方面が眺められる。
遠くに磐梯山の頂上が見え隠れし、傾斜はさらにきつくなる。山頂まで小1時間の分岐点に来ると左はお花畑、そして右に行くと弘法清水へ直行だ。お花畑といっても残念ながら今はほとんど花はない。
登り始めて3時間近く、弘法清水に到着した。ここからは最後の急登だ。30分ほどの登りだが、かなりきつい。ジグザクに巻きながら、1819mの山頂を目指す。途中、裏磐梯の大小多数の湖沼群を見下ろすことができ、磐梯山の大きさと高さを実感できる。大きなゴロゴロの岩を間を縫うようにして11時15分、登頂を果たした=写真右下=。
山頂には多くの登山者がいる。南に広がる大きな猪苗代湖。刈り入れ前だろうか、色づいた稲穂の田んぼがあちこちに見られ、素晴らしい秋の平野の美しさが広がっている。反対側を回れば、これまた見事な裏磐梯の風景が広がる。昨日登った猫魔ヶ岳も西側に見える。申し分ないパノラマだ。しばらく眺望を楽しんだ後、同じ道を戻って下山にかかる。
八方台の登山口に戻り、休暇村で汗を流した後、帰路についた。帰りのバス車内で、入院中の高橋さんからのメッセージが披露されると、ひときわ大きな拍手が沸き起こった。
天候に恵まれた二日間の山旅、皆さん、お疲れ様でした。(O)
<バス車内のひと言、そして一夜明けて寄せられたメールから抜粋>
(Hさん)
初めは猫魔ヶ岳だけを登ろうと参加したのですが、皆につられて磐梯山の頂上まで行ってしまいました。360度の眺望素晴らしかったし、紅葉もこんなに色づいているとは思いませんでした。
(Kさん)
今日は申し分ない天気ですし、久しぶりのバスでの大人数での山行でした。今年は、もうこれ以上の紅葉はいいかなと思います。いい山でした。
(Sさん)
登れるかなあと思い巡らせながら何とか来ましたが、深田久弥の百名山に何とか登れて感謝です。ありがとうございました。
(Yさん)
360度の眺望、本当に感激しました。どうにかこうにか歩くことができました。ありがとうございました。
(Kさん)
今年も、いろんな山に登りましたが、この磐梯山が一番素晴らしかったです。素晴らしい眺望で最高でした。
(Mさん)
久しぶりのバスの山行で楽しみにしていました。紅葉は期待していなかったのですが、紅葉を見れて良かったです。
(Nさん)
(磐梯山のきつい登りで)Kさんから、景色がいいから、「見ろ、見ろ」と言われましたがオレは早く皆に追いつきたいんだと必死でした。
(Oさん)
雄大な磐梯山の姿と、紅葉、そびえ立つブナ林を思い出しながら、(東京に戻って)仕事にも精が出ました! お陰さまで、今回はウソのように膝裏の痛みがなく、お散歩にも行けました。本当に助かりました。ありがとうございました。皆さまのお陰で、忘れられない山行となりました。
(Hさん)
遠かった磐梯山が身近な山になりました。またいつか、夏の盛りにでも来て、あのお花畑を歩いてみたいなと思いました。感動しました。みんなに助けられて、たどり着いたことを感謝します。ありがとうございました。
コース記録
【4日】
清澄白河6:00→木場6:05→錦糸町6:15→曳舟6:25→6:30首都高四ツ木→(東北道)→磐梯河東IC→10:40ゴールドライン八方台登山口10:57…12:00猫魔ヶ岳12:25…12:50猫石…14:00雄国沼休憩舎14:20…15:35雄子沢登山口(バスに乗車)=16:00休暇村磐梯(宿泊)
【5日】
7:00朝食 7:50休暇村=8:16八方台登山口8:22…8:53中の湯跡…10:35弘法清水10:45…11:15山頂12:00…12:20弘法清水…中の湯跡…14:15登山口(バス乗車)→休暇村裏磐梯(入浴)→19:30都内
*参考までにー
ものの本によると、ダケカンバと白樺の違いは次のようです。
@白樺もダケカンバも涼しい高原や山間に多く見られますが、ダケカンバの方がより涼しいところ、つまり、山で言えばより標高の高いところに生えています。
A木肌の色が違います。ダケカンバは、色がとても濃い。しかし、色が薄くて、白に近い色のダケカンバもありますので、木肌の色だけでは分かりづらいことがあります
Bはっきりとした違いの一つがダケカンバの樹皮がはがれる様子です。蛇の脱皮のように、ダケカンバも新しい樹皮が出来て来ると、古い薄皮ははがれて行くのです。
C白樺の木肌の色は、白いペンキを塗ったような白さです。それと、白樺には幹から枝が出ている元のところに黒い口ひげ状(ハの字)の模様があります。このひげ模様はダケカンバにはありません。それと、白樺の幼木や小枝は白くありません。
―だそうです。
トップページに戻る