またも強風に煽られるも、下山は晴れ間が広がり、素晴らしい景色

八甲田山大岳 1584m 2019年6月22日~23日 

八甲田山は6年前に登って、山頂付近で物凄い強風に煽られたことは、まだ強烈な印象として残っている。今回は時期を秋から初夏の梅雨時に変更して湿原の花を楽しめるように、そして温泉組のコースも考え企画した。地獄沼にて

東京駅6:32発はやぶさ1号の車内集合で、上野駅で全員集合、新青森に向かう。3時間17分で新青森駅に到着、JR奥羽本線に乗り換えて10:04に青森駅着。そこから宿の送迎バスで酸ヶ湯温泉に向かい、昼前には酸ヶ湯温泉に到着することが出来た。

天気予報は雨であったが、現地は曇りで、明日の天気が期待される。取りあえず宿に荷物を預け、ついでに待合室で昼食を取って、昼過ぎに予定の下毛無岱に向かった。出発した時には霧雨程度であったが、やがて雨脚が強くなり、最初に道を間違えたこともあり、予定を変更して酸ヶ湯温泉周辺の散策に切り替えた。

駐車場横手から遊歩道らしきものが始まっており、三十三観音から地獄沼を経て賽の河原の脇を通って「まんじゅうふかし」へと続く。まんじゅうふかしとは、温泉が流れる樋にかけた木の蓋に、腰掛けるだけで温かみが深部に浸透して何ともいい気分になるらしい。これが一番うけて10分以上過ごした。この後、東北大学植物園を散策して時間を潰すも、まだチェックインの時間までだいぶあったので八甲田ホテルのラウンジで珈琲を飲んで至福の一時を過ごした。

宿に戻り、酸ヶ湯のヒバ千人風呂を楽しんだ後は部屋で軽く宴会をして夕食を済ませた。食後は津軽三味線の演奏会聞いたり、女性は女性専用時間に千人風呂に入ったりして過ごした。2日目は宿の都合で登山後14時までに入浴を済ませ退出しなければならなくなり、登山組は朝食を弁当に変え、6時に出発して13時までには下山できるように予定を変更した。温泉組は当初の予定でも13時には戻れるようになっているので計画通り実施とした

翌朝は残念ながら霧雨が止まず、あいにくの空模様である。前回参加したメンバー8人を含めて17人での山行となったが、登山組が11人で温泉組が5人(前日体調を崩し1人が残念ながら登山が出来なかった)。温泉組に見送られて、霧雨の中、酸ヶ湯温泉を出発した。駐車場の脇に鳥居があり、そこが登山口になっており鳥居をくぐって歩き始める。

雨水の流れる中、岩がゴロゴロとして歩きづらい登山道になっていた。なだらかな樹林帯を1時間程歩くと突然視界が開け地獄湯の沢に出た。亜硫酸ガスが発生していてその名にふさわしく荒々しい一帯である。大きな岩がゴロゴロ転がっていて間を縫うようにして、沢沿いの急な登山道を暫く登る。最初の難関である。漸く登り切ると樹林帯に入り木道を進むと仙人岱に到着。ここで一息入れ、差し入れの大福で空腹を紛らわすことが出来た。

渡渉仙人岱から少し歩き始めると、予想外の大雪渓に遭遇。登山道を示すロープが張ってあったことで、何とか迷わずに雪渓をクリアすることが出来たが大変であった。この後もいくつかの雪渓に遭遇したが慎重に渡ることで何とか踏破出来た。樹林帯を抜け森林限界を越えると風が強く吹き始め強風の中、岩石で仕切られた登山道を山頂に向かって急登をジグザグに進んで行った。

9:05に3時間の標準タイムで山頂に到着、記録写真を撮って強風を避けるべく山頂直下の避難小屋へ急いだ。小屋の中は先客も少なくゆっくり休んで昼食を取ることが出来た。10時過ぎに小屋を出発、ほぼ雨も止んでおり登山道を快適に下って行く。途中雪渓があり展望が開けたところで上空の雲が急に去り、陽射しが射しこみ、周囲の山々が突然現れた。近くには水芭蕉が咲いており、とても気持ちの良い場所で休憩を取った。

樹林帯を過ぎると木道が始まり、目の前一帯が上毛無岱の湿原となる。足元には清流の小川が流れ、至る所に高山植物が咲き誇り、チングルマやワタスゲの群落も見ることが出来た。霧が晴れ八甲田の青々とした山に囲まれ、遠くは青森の街並みが望まれる休憩所で周辺の景色を堪能した。更に木道を進み、途中からから階段を下って行くと、眼下に下毛無岱の湿原が箱庭のように広がっているのが見渡せる。素晴らしい景観である。更に下毛無岱の木道を歩き、やがて湿原も終わり酸ヶ湯温泉へと続く登山道を下って行く。予定より早く12:35には酸ヶ湯温泉に到着、温泉組も13時過ぎには到着して無事合流することが出来た。

温泉で汗を流し、荷物を整理して15:45の送迎バスで青森駅まで送ってもらい、駅周辺で各自自由に時間を過ごし、新青森駅に移動して18:38発のはやぶさ40号で帰路に就いた。(S

<参加者のひと言>

八甲田と酸ヶ湯温泉は、前回の記憶を呼び戻しながらの山行となりました。前回程では無いのですが雨と風に歓迎され楽しく登る事が出来、下山の時は先程の雨と風は何処へ行ってしまったかと思うような景色の素晴しさでした。温泉もいいお湯で食事も美味しくて、楽しい思い出をありがとうございました。リーダーはじめ、参加の皆さん、ありかとうごさました。
(性格の良い日野富子)

天は我々を見放さなかった。雲の合間から青空が見えたかと思うとアッという間に太陽が差し込んできた。さっきまで寒さに震えていたのに、暑くてカッパを脱ぐほどでした。更に上毛無、下毛無のこの世とは思えないほどの、何処までも続く湿原をみせてくれました。「ホーホケキョ」と鳥はさえずり、沼には水芭蕉が群れをなし、彼方此方に咲き、オタマジャクシもうじゃうじゃと、八甲田山の素湿原にて晴らしさを見せて頂き、本当にありがとうございました。
MK

゛死ぬかと思った〟と、聞いていた山。怖いと思いながら不安と頑張るの気持ちで臨みました。頂上付近の登り、徐々に風が吹いて強風に変わり、この体がふらついた。後ろにいたKさんに支えて頂きありがとうございました。思い出すと恐ろしい。頂上も雨風があり、視界がなく、記念撮影もやっとで下山、少したって天気回復し晴れ間が出て、階段から見たスーっとのびた木道と景色のご褒美が待っていた。立ち止まり目に焼き付け、最高のお土産になりました。おしゃべりも沢山したり楽しかった。2日間リーダーの齊藤さま本当にお世話になり、ありがとうございました。お疲れ様でした。想い出に残る山になりました。皆様ありがとうございました。
F

小雨の中の酸ヶ湯温泉着。傘をさしての散策で、近くの温泉地由来の名所めぐりに計画変更。地獄沼という湯気が立ち上る沼地を見て、「まんじゅうふかし」という、言うなれば“スチームオンドルベンチ”に座り、しばらくお尻を蒸かし上げてから、東北大学管理の植物園をめぐる。それでもまだチェックインまでの時間を持て余していて、ログハウスの外観の八甲田ホテルで“ティータイム”を決め込む。こ洒落た雰囲気で飲むストレートコーヒーに少しオトナになった気分も味わった。
さて、チェックイン後、リーダーには温泉施設側から明日の施設貸切のため、チェックアウトタイム変更の宣告があり、午後二時までの退室を余儀なくされた。ここからはリーダーの情報収集と時間計算が始まり、瞬時にしてその最適解を導き出した。さー「齊藤マジック」の始まり、始まり。
明るくなりかけの時間帯に山組11名は、ほぼ全員起床。朝食昼食兼用の弁当を受け取り、霧雨の中、傘を差して6時過ぎに出発。登山口の鳥居をくぐればすでに神の領域。火山性ガスの影響か?異空間が続く。直径30メートルほどの立ち枯れた樹木と、これほどの範囲で枯れた姿を目にしたことが無い笹薮のUFO着陸地のようなサークルが現れ、さらに谷川沿いには、ある種のサイレンと思しき音響が鳴り続けて、いやでも緊張感を高める。ただその合間にはしっとりした霧に潤った喉でウグイスも鳴き返す。やがて雪渓が連続して現れ、霧のせいもあって、規模が大きく膨らみ、視界の半分を占めるほどになる。『高緯度と多量の降雪で盛夏まで残雪がある。』と計画書にはちゃんとあったのにストックを加えてなかったことが悔やまれた。
ようやく休憩地仙人平に到着。ここで末光さんから託された「大福」登場。余りの寒さに手がかじかんで、二口でペロリ。晩飯から何も口にしていないこともあり、格別の滋味深さを感じた。いつもごちそうさまです。ザックに忍ばせていたかすかな「あたたかみ」を感じたとの食レポもあり、私までなんだか嬉しくなってしまった。

気をよくして頂上を目指す。潅木帯からはますます風が強くなり、衣類の風の抜けが心配だ。雨量はさほどでもないにしても、体温を奪われないように熱の出口をすべて塞いで凌ぐ。森林限界を超え、やっと岩場の中に頂上の標識らしきものを見つけた。頂上には記念ショットだけで、這う這うの体で撤退
来た道の状態同様のロケーションをたどるように下り、樹林帯の中に避難小屋の屋根を見た時は安堵感から、『やったー』の歓声があがり、小屋で朝食兼昼食だ。小屋から撤収の際にも雨は降り続いていたが、空が明るくなり、天気も味方して雲のカーテンが開けて潅木の向こうに湿原と麓が見えたときには『すごーい』の歓声が続いた。
湿原にたどり着いて以降はリーダーの思い描いていた通りの散策が時間たっぷり楽しめて、余裕を残して到着。温泉入浴も充分堪能。各々この地の余韻をさらに楽しみ、最後には八甲田山の全貌も望めて送迎バスで青森駅に向かった。終わりよければすべてよし。
突然の変更にも当意即妙の対処に唸ってしまう。上々の「齊藤マジック」が観られた。すべてをまとめ上げてしまうすごさに感動しました。ありがとうございました。
(ヤマジジイ)

東北新幹線で初めての青森へ。楽しみに楽しみにしていました。なのに行きの車内から体調を崩し、そのまま酸ヶ湯温泉に到着…。皆さんの手を借りて部屋に横になりました。翌日の昼過ぎくらいから少し食欲が出て体調が落ち着いて来ました。八甲田山も千人風呂も美味しそうな食事も経験出来なかったけど 往復の車内での、そして3人部屋でのおしゃべり!!面白かったし楽しかったなぁ~。体調のすぐれない時は浴槽に入るのは「数えながら20迄よ」と。手助けを頂いた皆さん 本当に心強かったです。いろいろお世話になりました。リーダーさんはじめ皆さん ありがとうございました。また 機会を設けて八甲田山!行くぞ~~。
YS

朝からのシトシト降り続く雨。でも、天気予報は曇。そのうちあがるだろうと軽い気持ちで癒やしの酸ヶ湯温泉を出発してしまった。でも、山の天気はやっぱり甘く無かった。
登るほどに風も強くなり加えて寒さも増して来る。
想定外の広範囲の大雪渓にハイテンション。でも、足を滑らせたらどこまで落ちる事かドキドキする!! 渡り終えれば危険と緊張も非日常で刺激的。緊張感を強いられる雨の山行も嫌では無い。
前回の八甲田の恐怖を感じる程の悪天候を経験しているので今回は可憐な花を愛でる余裕すら有る。
真っ白な視界と寒さと風で山頂はあっさりと通り過ぎ下り始める。
下る程に、風は止み視界も開け青空まで出て来た。爽やかな湿原の中、大好きな木道を歩く。『あ〜気持ちいい〜』
振り向けば、山はまだ雲の中。まるで天気に境界線があるみたい
変化に富んだ山道のお陰でさほど疲れを感じずにおおよそ六時間の山行を終える事が出来た。
リーダー、大変お世話になりました。歴史ある酸ヶ湯温泉に泊まれた事も幸せ!!
e-jan

午前中の辛い風雨も午後のチングルマやワタスゲの花、酸ヶ湯の名湯で癒されました
(エビ)

八甲田山は今回が2度目ですが、前回と同様に大岳山頂からの展望が得られず残念でした。でも、下山途中から天気も回復し、上毛無岱や下毛無岱の湿原に咲く高山植物や山並みの景色を見ることができて良かった。また、予想外の雪渓が何度も現れ、雪上歩きは結構楽しかった。
(白毛門)

曲がり筍 ヘソ曲がりでも 旨味知る
宿の夕御飯は、豪華だった。お品書きによると、前菜に細竹みそ漬けと書いてある。皮をはいで食するとうまい、みどりのきれいな中から白い身があらわれる、味噌の味は感じられないけど、えぐみもなく上品だ。
( まがりたけ へそまがりでも うまみしる )
八甲田 残雪ありて ヘビ二匹。
八甲田に来て、予想外だったのは、雪が残っていたことでした。さらに驚いたのは、蛇の死骸を、二回も見つけたことでした。
 ( はっこうだ ざんせつありて へびにひき )
地獄沼 おいてけ声に 記念撮る
棟方志功の石碑のそばにある地獄沼という、火山現象地で、記念撮影となった。シャッターを押す方が、傘を置いて行こうとして気づかない。さては、傘をおいていけ、との声が、聞こえたか。
じごくぬま おいてけこえに きねんとる )
何のこと まんじゅうふかし 盛り上る
熱蒸気により、あったかベンチが設置されているお休み所。
(
 なんのこと まんじゅうふかし もりあがる )
菊ホテル コーヒーうまい 雨の山
山の中の、立派なホテルに、はいる。時間前に入れていただいたうえ、うまいコーヒーにいい気分、いつしか外はにわか雨になっていた。
余裕の午前中。
(
きくほてる こーひーうまい あめのやま )
おがわみち 落ち葉にひそむ 木の根ヘビ
登山道、歩くも小川の流れに似たり。 やや、ヘビかと見えたけど、木の根っ子の曲がりでした。
(
おがわみち おちばにひそむ きのねへび )
雪渓で 冷風雨あび 鼻滴とぶ
予想外だった、雪渓を超え上ると風雨激しく霧は水滴となってカッパを伝う。寒さで鼻水が、と思う間もなく風に飛ぶ。
(
せっけいで れいふううあび びてきとぶ )

(きし)

約六年ぶりの八甲田。ロープウェイを降りて雨でぬかるんだ中、階段降りるのが大変! 高山植物のお花畑に癒やされ、雪渓があり、ようやく歩く。六つ歳とった分きつかった~。でも、宿で新幹線の中で仲間とのお喋りが楽しかった二日間でした
(痴呆女)

コースタイム
1日目
東京駅6:32→上野駅→はやぶさ1号→9:49新青森駅9:58→10:04青森駅10:15→送迎バス→11:30酸ヶ湯温泉(昼食)13:00→酸ヶ湯温泉周辺散策→14:50酸ヶ湯温泉
2日目
登山組
酸ヶ湯温泉6:05→7:10地獄湯ノ沢→7:50仙人岱8:00→9:05八甲田山頂9:10→9:35大岳避難小屋(昼食)10:05→11:20上毛無岱→11:40下毛無岱→12:35酸ヶ湯温泉15:45→送迎バス→16:55青森駅18:10→18:16新青森駅18:38→21:58上野駅→10:02東京駅
◆温泉組
酸ヶ湯温泉8:50→送迎バス→9:00八甲田ロープウェイ駅→山頂駅→宮様コース分岐→上毛無岱→下毛無岱→13:15酸ヶ湯温泉

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