町営バスに揺られ、秩父札所の結願寺から「巡礼の道」を紅葉探し

破風山 626.5m  2024年10月26日(土) 


今年の秋は天気の移り変わりが激しく山行予定日の天気予報はお山頂で日様マークだったのが急に傘マークに変わったりで気がもめる。

曇り空の朝だが8名は西武池袋駅に集合し、飯能にて乗換え10時過ぎに皆野駅に到着する。小さな無人駅だが、駅前には明治創業の老舗鰻屋が2軒もある。お店の横にある地下水をくみ上げている鰻のいけすを覗いたりしながら、その先の広場のバス停留所に向かう。

今日は小さなマイクロバスの臨時車両だそうで、車掌さんも臨時のおじいさん。マイクをつけずに話すので停留所の名前がとても聞きづらい。水潜寺前で乗車賃を料金箱の代わりのお菓子の箱の中に入れて降りた。何とも手作り感がいっぱいの町営バスだ。

水潜寺は秩父札所34番の最後に訪れる由緒あるお寺だそうで、今日の登山の安全を祈願する。まだ若いと思われるお坊さんが庭先で説法のような小話をしていて 、あまりの面白さにみんなで大笑いする。気さくなお坊さんで集合写真のシャッターまで押してもらった。金子兜太の有名な「曼殊沙華どれも腹出し秩父の子」の句碑はどこにあるのかと聞いたら、自分の立っているすぐ後ろにあった。

登山口は本堂のすぐ下にあり、札立峠まで一時間ほど沢沿いの道を登って行く。暑くもなく寒くもない丁度良い陽気で、ところどころに架けられた小さな橋を渡り、心地よい良い沢の音を聞きながらわいわい賑やかに歩き始める。途中で衣服の調整、水分補給、お菓子タイムの休憩をしながら、山肌が崩落して道を埋めている個所や大きな倒木があっったりする道でみんな段々疲れてきた。

列も長く伸びてきて、後ろの方のKさんのリュックに下げられた熊鈴が谷間の奥から木霊してくる巡礼の鈴の音のように聞こえてくる。この道の道標には「巡礼の道」と書かれている。なんだか自分が杖を突いて白い巡礼装束で暗い谷間をトボトボと歩いている姿が頭から離れなくなってくる。

ようやく札立峠に到着する。尾根にあるもみじは青々としていてまだ紅葉には程遠い。ゆるやかな道をしばらく歩くとジグザグの急な道になり、あえぎながら登ると破風山の山頂だ。360度の大展望で、眼下に皆野の街、遠く秩父の山々に囲まれて天気が良ければ大きな武甲山も見えるはず。少し下った所にある東屋を予定していたが山頂があまりにも空いているのでここで昼食にする。狭い山頂からの雄大な景色を眺めながらお弁当を食べる。

30分ほどのんびりして、山頂を下るがやせた道が続き慎重に降りる。東屋を過ぎるとところどころに階段があるが、もう変な岩の道もなく歩きやすい下りの道が風戸まで続く。廃屋になっている最終人家を過ぎると車道に出る。10分ほど車道を歩いて満願の湯に到着する。どっぷりと湯につかり今日の汗を流した。

(K)


<参加者のひと言> 

紅葉にはまだまだ早かったですが、苔むした岩と沢がとてもきれいで幻想的な景色の山道を歩くのはとても楽しかったです。満願の湯にゆっくりのんびり浸かり、心身共に癒されました。皆様、ありがとうございました。

Y

札立峠


秩父34カ所最後の札所である水潜寺をお参りしてから 山行を開始、約1時間で札立峠から破風山に到達しました。

途中風がなく汗を掻きましたが、山頂は微風で眺望もよく人影も少ないので、昼食をゆったり頂きました。

帰りがけに満願の湯に立ち寄り、良いお湯で疲れがとれました。最後の札所のお参りだけで満願の湯を浴び、秩父34カ所を結願した思いです。

(W)

破風山初めての参加でした。お天気がイマイチでしたが皆んなでガヤガヤと楽しく汗かいて歩く事が出来ました。秩父温泉・満願の湯により風呂上がりのビール格別でした。超楽しい時間をリーダーの加藤さん、他の皆さん本当にありがとうございました。

(タダミツ)

お堂の前でコンパクトながら、登り応えのある山行で楽しかった。

例年の晩秋の朝と違って、夏を引きずったような生暖かさの残る登山口バス停。

途中の西武秩父線の車窓から雄大に見えるはずの「武甲山」がカスミに煙る。何より「破風山」の名の由来の三角が登山前後ともに確認できなかったのは残念だ。

だが、歩き出せばやがて一変。こんもりとした森の急な坂の奥に秩父札所の三十四番、水潜寺が見える。ひとの良さそうな住職の待つ境内に入るとユーモアを交えた法話でお出迎え、皆が身仕度とトイレを借りる間を繋いで送り出してくれた。

夏山山行にもふさわしい深山幽谷に『屋久島みたい』との声も聞こえる。苔むす巨石の沢の流れもあってか、いっそうしっとりとした森の雰囲気を醸し出す。が、しかし、さすがに沢を分けると急登の連続に一気に汗が吹き出す。

峠からの僅かな急登を乗り越え、明るさの増した木立を抜ければ展望抜群の山頂。人もさほど居らず貸切状態で麓のジオラマを堪能しながら、ここでおにぎりをいただいた。

あとは痩せ尾根歩きからバランス良く配備された緑のモミジ平、猿岩、風戸の鏡肌などの鑑賞し、里の湯をめざす。

雨にならなければいいな、混んでなければいいな、眺望に期待したいな、久しぶりに手応えのある登山であればいいな、汗だくになったら温泉が最高だな、の願いの全てが叶えられ、おまけに肌がツルッツルになる秩父温泉「満願の湯」に浸かってビールで締めた。

(ヤマジジイ)

やっと訪れた秋らしい一日、新鮮な空気と山の緑を楽しみました。途中木の根につまずき転倒しましたが、不幸中の幸い大した怪我もなく済みました。下山後の入浴は最高です。リーダーありがとうございました。

S

とても充実した一日になりました。お話好きな水潜寺のご住職に見送られて出発。

すれ違う人も数えるほどの静かな山。苔むした巨大な奇岩に同じく苔むした倒木。

苔は大好き。説明は出来ないけど苔を観ると癒やされる。

狭い切り立った山道が続き「気をつけて」と声を掛け合いながら登る。足元を確認しながら時々休んでは苔を愛でる。あまり広くない頂上は私達だけでいっぱいだけど見晴らしは抜群。久しぶりの下山後の温泉も気持ち良かった。ゆっくり露天風呂につかり気分も疲れもリフレッシュ。

帰りの電車では頂上で写真を撮ってくれたお嬢さん達を見つけ、賑やかにフェミニストなKさんがお菓子をお裾分け。いつもながら優しい。

いっぱいおしゃべりして、汗流して、憂さを晴らしてまた、明日から頑張ろう!! 

e-jan

10月下旬でも気温は25度。半袖でもすごせる天気ですが長袖で山登り。曇り空でも、おおあせをかいて山頂まで上りました。ひさびさの温泉で湯上がりのビールは美味しかったです。

S.A


コース記録

池袋(西武池袋快速)7:54―8:49飯能8:56―10:08皆野~(町営バス)~皆野駅前10:28―10:49札所前~水潜寺登山口11:00―11:55札立峠―12:20破風山12:50―13:30風戸分岐―14:15秩父温泉満願の湯~(町営バス)~秩父温泉前16:05―16:20皆野駅前~皆野(秩父鉄道)16:37―17:05寄居(東武東上線)17:19―17:35小川町17:45―19:00池袋

 

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