秋冷満ちた信仰の山に登り、いにしえの往還をしのぶ

富士山五合目 2304m 2017年9月30日

古くからの神社や石碑が数多く、朽ち果てた茶店の跡々は、か五合目へつての信仰の山の往還の賑わいを色濃く残す。吉田口の馬返しから始まる緑の古道は、富士山登山の歴史の道だ。登山道はすでに秋の気配を濃くし、五合目とはいえ、体温を奪うヒンヤリとした空気が富士の峰の標高を実感させた。

昨年に引き続いての富士山五合目のバスハイク。14人が参加して、いつものように清澄白河を6時半前にスタート。今回、当会での初めての山行となったKさんも加えて、車内の歓談は一層、楽しさを増した。天候はやや曇天。東名高速に河口湖、山中湖の標識が見え始める頃、雄大な富士山が姿を現した。黒い富士山である。まもなく冠雪の富士山となり、さらに急ぎ足で白い富士山になることだろう。残念ながら、これから行こうとする五合目のあたりは雲がかかっている。この分では、吉田口からの登山道はガスの中か?

標高1430mの馬返しを9時半過ぎに出発。和気あいあい、山道は道幅が広く歩きやすい。麓はブナ林、高度を上げるにしたがって針葉樹にとって代わる、とはパンフレットに書いてある古道の植生解説だ。うっそうとした樹木の間をゆっくりと登っていく。汗をかくとすぐにヒンヤリと寒くなる。それでも、登りが続くため、すぐに汗をかきシャツ1枚で登る。

一合目(1520m)、二合目(1700m)、三合目(1840m)、四合目(2010m)と着実に高さを稼いでいく。後ろからNさんの悲鳴に近い声が上がる。「ずっと登りばかりなんですか〜」。そうなんです。すみません、登り一辺倒なんです。登って下ってという繰り返しはなく、ただひたすら登ることになる。樹林の隙間から時々垣間見える市街地の街並は、ガスのため、視界がきかない。

数多くの木の階段、石の階段をのぼり、大黒天のほこらのある四合目に達すると、次は四合五勺と細かく刻んできた。これを見たM嬢曰く。「四合とか五勺とか、何か日本酒が飲みたくなってきた」。なるほど、M嬢の発想に同感である。たくさんの神様が鎮座するという御座石を過ぎるあたりから、滑りやすい濡れた岩畳の山道となり、要注意だ。

九十九折りの山道を上がることしばし、やがて滝沢林道にぶつかる。いったん道なりに行った後、右側に中宮三社のひとつ富士守稲荷のほこらを目印に再び右側の山道に戻ると、まもなく佐藤小屋に出る。予定よりも20分ほど早く着くことができた。小屋の前のテーブルやベンチを借りて、ここで昼食とする。昨年の山行では、だんだん雨が強くなり、小屋までたどりつくのが大変だったとか。今回は雨にはならずにすんだが、もう少しガスがとれればよかったが、まあ、これでよしとするか。

昼食後、40分ほど歩いて五合目の駐車場だ。ガスも途切れて、斜面には草紅葉のカーペットも見え始める。下から見た通り、五合目から上はガスは比較的ない。どこから来たのか、次第に登山者の数も増えはじめる。登山シーズンはすでに終了したが、富士山を目指す内外の登山者は相変わらず多い。先回りして駐車場で待っていてくれたバスの岡田運転士とも無事合流し、河口湖大橋近くの梨宮温泉で簡単に汗を流した。

(蛇足:文中の「Nさん」「M嬢」は同一人物である。)

(G)

<参加者のひと言>

五合目に到着大野リーダー、皆様、今日はお世話になりありがとうございました。生まれて初めての富士山、何とか登れ大満足です。バスの中では、健康関連の話題で盛り上がりましたが、元気に歩けるのは本当にすごいことです。末光さん、たくさんの美味しい差し入れありがとうございます。(中性脂肪何とかならんか
MN

富士山五合目山行に昨年と同じく参加させて頂きました。昨年は雨の登山でした。今年も富士山世界遺産センターでトイレタイムのスタートで、馬返から出発、一合目(鈴原天照大神)1520m、二合目  1700m、三合目  1840m、三合目 見晴茶屋、四合目  大黒小屋、五合目  焼印所、五合目  早川館、たばこ屋、不動小屋、五合目  佐藤小屋で食事を取り 2304m  五合目駐車場まで行きバスで下山、途中梨宮温泉に?入り帰りのバスで、ビールにてお疲れ様カンパイして無事東京へ帰宅出来ました。山登りとバスの中も本当に楽しかったです。リーダーの大野さん、メンバーの皆さんありがとうございました。
IT

泊まり山行が続いていたこともあり、久しぶりに参加されたメンバーも多く、和気あいあいとした雰囲気で一日楽しく過ごせました。やはりバス山行は良いですね。
(白毛門)

予ねてからの評判の良い古道、そしてあまりにも馴染んでいる富士山という響きに親近感を得て、何のためらいもなく参加した山行でした。しかし、標高差850Mの直登は現在の私の体力では大冒険の山行であったようです
 山道良し、季節良し、清浄な空気に包まれて胸躍らせて馬返しを出発したのに、一合目までの20分たらずの歩程で、既に目から涙のような大量の汗、髪もビッショリ濡れて、異常に噴出す汗にすっかり調 子を狂わせてしまいました。登る足取りは重く、呼吸も苦しい・・・こんなはずではなかったのに・・・で、この先登っていけるのかしら、と後悔しきりの出発となりました。
最後尾を守ってくれている下ちゃんや齋ちゃんに、ゆっくり、ゆっくり、と励まされながら、差し入れの大福もちや羊羹などに力を与えられて、三時間後、やっとの思いで佐藤小屋に辿り着けた時は、既に足が棒のようになっていました。私にはもう登山はムリだわ。そんなことを思いながら気温11℃の中、お弁当を広げて大休憩。皆で囲むお弁当もおいしく楽しい。いつの間にか疲れも吹き飛んで五合目駐車場に到着すると、そこはまた思いもよらない別世界が広がっていました。様々な外国の観光客が溢れていて、馬たちが 何頭も客待ちをしてたむろしていました。お土産を売る建物は異国の山小屋風でお洒落で明るく、標高2300Mの山腹は青い空と白い雲に囲まれ、これもまた心浮き立つような華やかな光景で、富士山頂もパッタリ姿を現してくれました。やっぱり、やっぱり来てよかった。これだもの、山はやめられないわー、と気分はコロコロ二転三転します。

帰りの車内でのNさん、Sさんの可笑しな掛け合い会話やNさんのパスケース紛失事件等々、久しぶりのバス山行は話題満載で、いつもながらの賑やかな楽しい一日となりました。仲間たちがいてくれるから山は楽しい。皆さんのお話を聞いていると自分の努力がまだまだ全然足りないわー。反省、反省です。リーダーの皆様方、そして皆様、今回も本当に ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。
(ラクシテトザンガE

五合目から息子と登った富士山一合目から五合迄目歩き30年経てつながり記念すべき日になりました有り難うございました。
M

昨年に続き二度目のコースプランながら、「富士山」のフェロモンに惑わされ参加を決意。須走口五合目から頂上迄は五度ほど歩いているが、やはり苔むす樹林帯の整備された古道は新鮮で、先人の労役に想いを馳せ、石畳や石段を畏敬の念を抱きつつ踏む。というか、先人の思惟の移ろいと私の歩行が共鳴し、こぼれ落ちている思考を拾い始め、冴え渡り無心になる。(ひとつの霊力か?)
富士山にはこんなお話がよく似合う。
なーんちゃって、バスのパンツ談義の邪念を打ち消す山行でした。
やっぱり「富士山」と「バスハイク」の魅力には勝てませんネ。
(
小室)

今年、3回目の富士登山。いつも元気をくれてありがとう 
YH

初めてのバスの集まり、朝から少し緊張して参加しました。朝は、皆様の挨拶を聞きながら、バスで山の中の登り口まで進む。天気は曇りの為、景色は楽しめませんでしたが、一日楽しい時間を過ごせ良かったです。
次回も遅れないようにのぼりたいと思います。
浅地


山遊浪漫会に入会し初めての山登りになります。
定例会に参加していましたので、参加されるメンバーの方々の不安はあまりありませんでした。1合目から2合目までの距離がつかめず、ひたすら流れる汗を拭きながら、ついていけるか不安でいっぱいでした。3合目を過ぎ山鳥の鳴く声が様々聞こえ、身体もなれ登る事が出来ました。皆さんから差し入れいっぱい頂き、また優しい声掛けがあり楽しい山登りが経験出来ました。ありがとうございます!
K


コース記録

曳船6:00発〜錦糸町〜木場〜6:25清澄白河
清澄白河6:30==箱崎JCT=(首都高経由)=中央高速河口湖IC=(河口湖バイバス)=9:20馬返し(全員バス降車)
馬返し9:35⇒⇒9:55一合目⇒⇒10:20二合目(御室浅間神社)⇒⇒10:53三合目⇒⇒11:25四合目⇒⇒12:20五合目(佐藤小屋)昼食12:50⇒⇒13:40五合目駐車場(全員バスに乗車)=(スバルライン経由)=14:40梨宮温泉15:20==河口湖IC=(中央高速)=19:10都

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