「もっといい音出してッ!」 師走餅つき山行、晴天のもと賑やかに
景信山 727m 2017年12月9日
前日の雨が嘘のように晴れ渡った高尾山域の景信山の山頂で13人の善男善女(?)がうちそろって、4年ぶりの餅つきを楽しんだ。冬枯れの登山道も、穏やかな山登りを演出してくれた。
京王線の新宿駅を出発して小一時間、高尾駅に到着した。すでにバス停には、多くのハイカーが行列を成し、車内はぎゅうぎゅう詰めだ。途中の車窓に見える家々にある車の屋根にはどれもうっすらと霜がおりていて、外の寒さを予感させた。出足は順調だ。一本早いバスに乗車できたおかげで、登山口からの歩き始めは30分以上早くスタートを切ることが出来た。
本日の登りは標高350m。ゆっくり登っても1時間で山頂まで着く手頃な山だ。冬の登山道は落ち葉の絨毯さながらだ。木漏れ日が作り出す陰影が一段と柔らかな興趣を添える。好天に恵まれたことで、行き交うハイカーは多い。女子中学生の30人ほどのグループが身軽に上がっていく。樹林が切れると都内が一望でき、遠くに新宿や池袋の高層ビル群、さらに目を凝らすと、その間にスカイツリーがかすかに見える。
山道のススキが切れるあたり、やがて、木道の階段を登り切ると山頂の青木小屋が見えてきた。全員到着。ただちに、餅つき、豚汁作りの準備に入る。持参した具材等を一箇所に集め、臼と杵、そして豚汁用の鍋を据えて、ガスコンロで持参の湯をさらに沸騰させて豚汁の用意に入る。が、冷えた具材のせいか、なかなか煮立たない。
小屋にお願いしていた餅米2升が蒸かし上がった。さあ、臼に放り込み、いよいよ餅つきの“戦闘開始”だ。バンダナや手ぬぐい等のかぶり物をした13人の戦士は、それぞれ適宜、配置についた。師走恒例の餅つきの始まりである。
ことがすべて要領よく運んだわけではないのだが、そこはそれ、世の中良くしたものである。得手不得手。山行には弱音を吐いても、こうしたイベントには、人一倍異能を発揮する御仁がいるものである。この日も、手練れの餅つき請負人男女各1名の鋭い下知が四方八方に飛ぶ。
つき手の杵の先から、「ペッタン、ペッタン」の、あの餅つき特有の快音が今一つうまく出ないとみるや、「もっと腰を入れてッ」「もっといい音出してッ」。たちどころに厳しい叱咤の声が飛ぶ。
「イヨッツ、昔取ったキネヅカ! その調子」。外野席も賑やかだ。
そんなこんなで、全員が杵を握る。臼の脇のテーブルには、きな粉、小豆、納豆のタッパーが並び、つき上がった餅を手際よくからめていく。そして、そのそばから「私、食べる人」が現れて、「ン、なかなかいける。やはりつきたての餅が一番」と平らげていく。いつもの餅つき山行の光景だ。
豚汁がグツグツと煮立って出来上がっていく。たくさんの具材が入っていて美味しい。山頂の寒さを吹き飛ばしてくれる。飛ぶような売れ行きだ。差し入れのお新香も、卵焼きも良く合う。腹が満たされ、一息入れたら、喫茶タイムだ。熱い湯を注ぎ、淹れ立てのコーヒー、緑茶を心ゆくまで味わう。師走の冬山で、四囲の山並みを眺望しながら、ゆっくりと楽しむ。この日の山頂での餅つきは我々だけだが、皆で材料やコッヘル、コンロを荷揚げしての餅つき、豚汁作りは、この時期、景信山ならではの楽しみだ。
2時間ほどの滞在の後、山頂を後にした。小仏峠経由で下山し、小仏バス停から朝と逆方向のバスに乗る。予定通り、高尾の「ふろっぴーの湯」で汗を流して、三々五々、それぞれ帰京の途についた。身も心も、穏やかな師走餅つき山行を堪能した一日となった。
(G)
<参加者のひと言>
★景信山、さんこう、もちつき、豚汁、たいへんたのしかったです、ありがとう、御座いました。
(とつか)
★餅つき山行は、美味しい
餅と豚汁をお腹一杯食べ、すばらしい景色を堪能してきました。昨夜降ったらしい少しの雪が、頂上のテーブルと椅子に、うっすらと残っていました。
寒いだろうとたくさん着こんで行きましたが、餅つきをした場所は風もなく、日だまりで過ごしやすかったです。
メンバー皆さんの協力で、楽しい山行にして頂きありがとうございました。リーダーの大野さん、お世話になりました。
(宮瀬)
★浪漫会慣例の景信山での餅つきは楽しかった。特に豚汁は美味しく2杯もおかわりしてしまった。事前の準備から当日の餅つきまで全員参加で行い、最後におもちをお腹いっぱいに食べるというのはいつもの山登りとはまた違った面白さですね。
(白毛門)
★景信山での餅つき登山ヨイショヨイショと声が響き、つきたてのきな粉あんこ納豆餅美味しかった! 何杯もお代わりした豚汁心から温まりました。紅葉の落葉の帰り道、踏みしめるのがもったいない。皆で紅葉の花吹雪を楽しんだ帰り道―。
(M)
★青空が広がり気持ちいい山登、登り開始は耳が冷たく徐々に身体が暖かくなり、楽しく登れました。頂上では、餅つきが始まり、小学校の遠足気分になり、お餅はおいしく頂きました。すごく楽しかったです。
(浅地)
★ホットな ひと時
気心の知れた仲間との貴重な時間に感謝します。皆様、お疲れさまでした。
(Y.H)
★お天気に恵まれた山上でのお餅つきは、既にそれだけで大成功といえるのに、仲間たちの熱い思い溢れて楽しい一日でしたね。
皆のおちょぼ口に合わせて豚肉を切ってご持参くださったOさん。
小豆缶を二つ、そしてお豆腐まで運んでくれたSさん。
的確なお砂糖と油揚げを運び上げてくれたOさん。
大根、まるまる一本をオクサマガ調理してくださったというKさん。
上手に人参を刻んでご持参くださったTさん。
まさに芸術、匠の技を披露してくださった牛蒡担当のNさん。
分担にはなかった里芋、そして分担にはなかったジップロックまで持ってきてくださったKさん。大いに役立ってくれましたね。奥様にお礼申し上げてください。
重いお味噌1キロとこんにゃく。ひょいひょいと運んでくださったHさん。
Aさん、エノキ、椎茸をありがとうございました。秋の味覚、おいしかったですね。
きな粉とキューちゃんの差し入れ、Hさんありがとう。
偶然にも自宅の屋上に生えていたという長ネギ担当のMさん、ありがとう。
納豆担当のKさん。大型紙コップ、大ヒット。全員で利用させてもらいました。
玉子焼きも、食後のコーヒーも最高でした。
皆さん、ザックをパンパンにして食材やお湯を運び上げてくださって、お疲れ様でした。
皆で手がけたお餅と豚汁の美味しさはやはり堪えられませんね。
ごちそう様でした。本当に楽しい一日でした。ありがとうございました。
(マンプク亭)
コース記録
新宿7:26=(京王線準特急・高尾山口行き)=8:15高尾駅/高尾駅北口8:32=(京王バス)=8:55小仏バス停⇒⇒景信山登山口9:25⇒⇒10:40景信山(餅つき・昼食)12:40⇒⇒13:35小仏峠⇒⇒14:00小仏バス停14:10⇒⇒14:35高尾駅15:07=(送迎バス)ふろっぴーの湯…お風呂…16:30発=高尾駅(解散)
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