雨、強風とガス、そして快晴、変化に富んだ南アルプスの山旅
北岳 3193m、間ノ岳 3190m 2015年8月21日(金)〜23日(日)
南アルプスの盟主・北岳山頂からの大パノラマと間ノ岳までの3000mの稜線歩きを楽しむ山行。広河原から入り、白根御池小屋(泊)→北岳山荘(泊)→広河原に下山した。(参加者6名)
出発前の北岳周辺の天気予報では、初日は曇りのち雨、2日目・3日目は曇り時々晴れで、まずまずの天候だ。期待が膨らむ。
1日目(8/21)
新宿駅7:00発特急あずさ1号に乗車、僅か1時間30分で甲府駅だ。バス乗り場では既に登山者が並んでおり、我々もザックを置いてバスが来るのを待つ。平日にもかかわらずバス2台で広河原に向う。広河原で昼食をとり、本日の宿泊地白根御池小屋に向けて出発する。野呂川に架かる吊り橋手前の案内板の前で元気な姿を写真に収め、登山道に取り掛かる。ちなみに下山後の写真も撮ったので、アルバムで登山前と後の表情を見比べて下さい(下の写真2枚)。
出発前は曇り空だったが、途中から雨になり雨具を装着。汗を大量に掻きながら樹林帯の急坂を黙々と登る。傾斜が緩んで暫らく進むと、渓流に出会う。もの凄く冷たい水だ。ここを過ぎれば小屋までもう少しだ。
予約したことが良かったのか、我々6名で1部屋を割り当てられた。しかも1つの布団に1人だ。早速、談話室にて明日からの計画の見直しだ。今日の雨で草すべりコースを避け、左俣コースで8本歯のコルに登り、北岳山頂を目指すことにする。夕食までのひと時を持ち寄ったアルコール(日本酒・焼酎・ウイスキー)で鋭気を養う。下界とは違い山の夜は早い。小屋の消灯は8時だが、我々の部屋は7時には寝息で静か(?)になった。
2日目(8/22)
朝、小屋から鳳凰三山の山並みが見えたが、北岳方面はガスで何も見えない。小屋を出発して大樺沢二俣で右俣コースを分け、徐々に高度を上げていく。やがて梯子が次々と現れ、何本通過したか分からなくなった頃、八本歯のコルに登り着いた。バットレス(北岳大岩壁)や鳳凰三山もガスの中で全く見えない。北岳や間ノ岳方面からの下山者の話では、朝から強風とガスで北岳山頂はもとより、間ノ岳までの稜線も立っていられないほどの悪条件らしい。トラバース道分岐で、本日の北岳登頂を諦め北岳山荘への道を選択。これが良かった。この登山道はお花畑の宝庫で、次々と現れる高山植物に何度も足が止まってしまう。北岳山荘には11時前に到着。
幸いにも宿泊手続きが出来たので部屋に荷物をデポし、雨具と水を持って全員で間ノ岳に向う(←左が間ノ岳山頂の写真。右上↑は北岳を背にした写真)。風は和らいできたがガスは一向に晴れる気配がない。手前の頂きを目標に登り詰めると次の頂きが…。「ニセ間ノ岳」を何度かクリアーした後、大きなピークが目の前にそびえる。本邦第4位の間ノ岳だ。山頂は相変わらずガスに覆われて展望は無い。それでも時折りガスが引き、山並みが現れる機会が増えてきた。天候が回復してきているようだ。山荘近くまで戻った時、北岳が初めて姿を見せてくれた。富士山とは異なり左右不均等な山容だが、それでいてなんとなく恰好の良い山だ。山小屋の混雑状況は受付時、1つの布団に2人とのことだったが、夕食後、1つの布団に1人の連絡がありゆっくり休めた。ただ、早朝1階受付付近の廊下で3人ほど寝ている姿を目にしたときはびっくりしたが。
3日目(8/23)
最終日にやっと南アルプスの山々が姿を見せてくれた。どっしりとした仙丈ヶ岳、北岳の山頂部も望める。山頂での展望が楽しみだ。今日は北岳を登頂し、広河原までの1,700メートル弱の下りがあるので、無理はできない。一歩一歩ゆっくり歩を刻み、山頂を目指す。振り返ると昨日登頂した間ノ岳の重厚な山並みが後押し、左手からは横に大きく広がる仙丈ヶ岳、右手からは富士山に励まされ、山荘から1時間30分強でついに北岳山頂に登頂できた。山頂からは本当に360度の大展望だ。南には間ノ岳や農鳥岳、塩見岳などの山々、西から北にかけては仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳、鳳凰三山など、南東には雲海にぽっかり浮かぶ富士山が望める。何度見ても飽きない眺めだ。ずーと眺めていたいが、これから長い下りが待っているので、渋々下山を始める。
肩の小屋で小休止、トイレはずいぶんきれいになった。小太郎尾根分岐までやや下り基調の穏やかな尾根を進む。分岐で靴ひもを締め直し、いよいよ右俣コースの大下降だ。延々と急坂を下り続け、膝が笑い始めたころやっと大樺沢二俣に下り着いた。昨日とは打って変わって日差しが眩しい。ここからは大樺沢に沿って緩やかに下る登山道だ。左岸から右岸へ沢を渡り、再度左岸に戻ると広河原は近い。広河原発のバス時刻より30分位前に到着できた。
温泉の混雑を避けることもあり、乗合いタクシーを利用して芦安温泉へ。温泉で3日間の汗を流し、乗合いバスで甲府へ。甲府で時間調整し、20時30分過ぎに新宿駅で解散となった。
本邦第2位と第4位の南アルプスの名峰を登頂し、最終日は一気に1700m弱を下山しました。メンバー全員元気に歩き通し、吊り橋手前の看板前でも笑顔(?)で写真に納まっていました。本当にお疲れ様でした。さて、2つ質問です。
・当初のコース設定は時計の反対回りでしたが、8の字コースに変更しました。どのようなコースを歩いたのでしょうか?
・間ノ岳と北岳の山頂には三角点が設置されていました。何等三角点だったでしょうか?(→1、2、3、4)
北岳山頂からの大展望は最高に素晴らしかったです。3度目でやっと念願がかないました。3000メートルの稜線歩きは展望が得られずちょっと残念でしたが、間ノ岳の頂上を踏んだことで良しとしましょう。(SS)
コース記録
1日目
新宿7:00発==(特急あずさ)==8:28甲府9:00==(バス)==10:53広河原(昼食)
広河原駐車場11:30==12:15白根御池小屋分岐==14:20白根御池小屋(泊)
2日目
白根御池小屋6:00==6:30大樺沢二俣6:35==8:45八本歯のコル9:00==9:25トラバース道分岐9:35==10:30北岳山荘(昼食)11:20==中白根山12:00==13:25間ノ岳13:40==15:40北岳山荘(泊)
3日目
北岳山荘5:20==6:55北岳山頂7:15==7:52肩ノ小屋8:05==8:30小太郎尾根分岐8:35==9:50大樺沢二俣10:00==12:15広河原駐車場
広河原12:25==(乗合タクシー)==13:15芦安温泉(入浴・休憩)15:30==(バス)==16:25甲府(夕食)18:56==(特急かいじ)==20:35新宿
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