苔むした森と神秘的な池巡り、そして「ずっこけ三昧」の木道
白駒池2115m 高見石2265m 2019年8月31日〜9月1日
北八ヶ岳は岩稜の南と趣を変えて、豊かな樹林と山上の池、苔むした森をのんびりと山旅を楽しむ山域です。 当会でも6年前の北横岳、7年前の茶臼山とバスハイクで温泉も楽しんだ馴染みのところです。 今回は忍び寄る年齢と歩み寄る体力の限界を考慮して北八ヶ岳を最大限に楽しむコースを設定しました。北八ヶ岳ロープウェイで一気に2,230mまで上がり、ほとんどゆっくりした下りのみの登山道(いや下山道)と苔の森と神秘的な白駒池及び高見石に登り原生林の緑に囲まれた白駒池を眼下に見るのんびりの山旅です。
第一日目:新宿駅7:00発あずさ1号のホームに10分前に集合することになっているが間際になってもまだK氏が来ない。メールがあり新宿へ行くルートを間違えて間に合わない。次の7:15のあずさの臨時が乗れたので、後を追いかけることとなった。
茅野に9時過ぎに到着、バスを乗り北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅に着く。トラブルがあって、20分間隔で運行していて、いっぺんにゴンドラは100人乗れるというのに登山者と小さな子供を連れた観光客で長蛇の列になっている。我々は乗り切れず、すぐ来た臨時便に乗った。
晴れていて見渡せた景色も山頂駅に着く頃は霧の世界になっていた。山頂はかなり気温が低いがまあまあの天気だ。早速、雨具を着込み、各自軽くストレッチをし記念写真を撮る。「坪庭」の見学もしないで五辻に下ることにする。森林浴を楽しむ樹林帯の中の道は木道も古く、湿っており、スリップ止めの横木も壊れているところが多い。皆、滑りに滑って、「ズッコケ三昧」。一度滑ると腰がし引け、ますます滑り易くなる。『何事もそうですよね』 漸く蓼科の方が開けた明るい展望台に着き小休止する。 さっそくSさんがタイミングよく大福を振る舞ってくれる。 重いのにいつも有難うございます。
少し奥は苔の森になってきたが木道だけでなく岩ゴロゴロや、ぬかった道もあるようになり、やがて五辻のあずまやに着き昼食とする。周りは少し開けた草原でトリカブトの紫の花が咲いていた。その時、長いコンパスでにこやかに颯爽と快人K氏が追いついたのです。これで全員集合です。やれやれ。
シラビソとコメツガの森といくつかの赤とんぼの飛んでる開けた草原を過ぎるとメルヘン街道に着き、少し左手を横切ると狭霧苑地から斧断ちの苔の森の整備された遊歩道になり快適に歩く。やがて赤いとんがり屋根の麦草ヒュッテが見えてきた。風が吹き抜ける広い草原で気持ちが良い。鹿除けの柵を通り抜け白駒池近くになると広い木道になり観光客も増えてくる。虫メガネかざして苔の観察をしている人もいる。苔は根っこもなく、花も咲かずに胞子で増えるそうですが虫メガネで覗くと面白い世界が見えます。
やがて今日の宿、青苔荘=写真左=に着いた。夕食前のひととき談話室で、持ち寄ったウイスキー、日本酒、ワイン、焼酎とおつまみと山小屋の良心的な750円の大瓶ビールで明日の英気を養う。小屋のすぐ前の池に出てみよういうことになり、ボートの桟橋に向かった。暮れなずむ神秘の池に立たずむビーナスと思いきや、われらが女史は浮桟橋を全身で大きく揺らし始めた。私は素早く飛び降りた。くわばら。くわばら。夕食は名物のたくさんの野菜天ぷらと佐久のイワナの塩焼きで大満足。
第二日目:山小屋にザックを置き空身で深い森と苔の白駒池一周するのだが山小屋のおかみさんに、もう『大人の休日?楽部』のブームも過ぎたんで反時計回でなくて右回りでも大丈夫よ言われ、そうしたのだが何組も狭い木道をすれ違い恐縮した。やがて白駒荘近くまで来ると看板に「ONE-WAY」と書いてあった。
山小屋に戻り、トイレ、身支度を済まし高見石へ出発する。この新道は歩きやすく整備され、苔もきれいな特に倒木の苔が美しい。一時間ほどで高見石小屋に到着。空身で小屋の裏手にある巨岩の積み重なった高見石に登る。チョットした岩登りで眼下に広がる原生林の緑に囲まれた白駒池に全員大感激。山小屋のテラスでのコーヒーブレイクは心豊かな至福のひとときでした。帰りは同じ道を麦草峠まで戻りバスが来るまでアザミ、リンドウ、ヤナギラン、ワレモコウなど秋の花に囲まれたあずまやで昼食とした。(T.K.)
<参加者のひと言>
★茅野に着いた時は晴れていてこれからの山行を楽しめるかなと思いましたがなんと木道がツルツルで足元を気にしながら ソロソリと歩く事になりました。皆が代わる代わる滑り何度も転んで大変でした。予定表では、なんか優しい山なのではとチョと軽く思っていましたが、加藤リーダーの行程表が正しかったと改めて思いました。高見岩は爽快で気持ちの良い山でした。楽しい2日間ありがとうございました。もののけの世界、凜とした空気と静かな空間。現実とはかけ離れた世界がそこには広がっていた、素晴らしい景色をありがとうございました。
(性格良い日野富子)
★素晴らしき苔の世界。初めての苔生した景色の山行。
湿って滑る木道で全員(?!)コロコロ滑り、ぬかるみに難儀するも山道以外は手付かずの原生林と苔の世界。
苔の景色ベストスリーは白谷雲水峡(屋久島)八ケ岳、奥入瀬と山小屋の食堂に書いて有った。図らずも個人的には、全てを踏破する事が出来た事に満足!!
美味しい山菜の天ぷら、白駒池、高見岩…。
総称するとすっごく楽しかった。リーダー、ありがとうございました。
(北山)
★苔の道にふさわしい天気もあり、それなりに満喫できました。また、宿のトイレの快適さは嬉しかったです。ありがとうございました。
(平野)
★苔鑑賞の前に濡れた木道でズッコケ者続出。高見石では岩登りもどきでちょっとしたスリルを体験。ゆったりとした2日間のハイキングを堪能できました。
(白毛門)
★天候はあまり良くありませんでしたが、一足早く涼しい秋を感じられた山行でした。東京の残暑にウンザリしています。
(S)
★蓼科高原 [苔の森の物語り] 事始め。
かくのごとき苔類の広がりを、森が持つとは驚いた。
抱える程の巨木は、視界のなかには、みあたらないが、30cmくらいの太さの木々の下では、あちこちに、多くの倒木が苔類に、覆われている。その木々は空に 伸び、足 元では、人の背丈程の若木が葉を拡げ競いあっている。
さらに、下の地面近くでは、指先程の長さの幼木が、苔の毛布の切れ目から若芽を、立ち上げている。この目に入る光景は、北アルプスの高原とも、関東の雑 木林とも、まったく異なるものだ。
メルヘン街道。
[昔話ーおとぎ話] の伝承が、人びとに伝えられ、残っていてもよい光景ではないか!
ここに見る不思議な空間に新しいメルヘンの片鱗を、探し当てたら、新たに現代の[苔の森の物語り] を書き綴ることとするであろう。
(きし)
★暑い東京から気温16℃の白駒池へ。茅野からのバスの車窓はもう稲田も黄色味を濃くして
もう秋なんだなぁ〜と感じる。
ロープウェイを降り 歩き始めると 苔むした木道でスッテンと。周りの景色を見たい …足下の苔も見たい…でも木道を見ていないとこける… 計3回こけた。
五辻のあずまやで昼食。青紫色のトリカブトやアザミが群生している。いつ見ても色は綺麗な花々です。
狭霧苑地から斧断ち森は初めて見た光景で 見晴らしのいい大きな大きな箱庭の中を歩いているような感覚でした。
白駒池の周りは色々な深緑色のビロードの布地を木々の下に敷いたような錯覚を覚える。本当に古代の森だ。高見石から白駒池を見下ろし
小屋でのコーヒータイム。気持ちよかったなぁ。また歩いて見たい処です。リーダーさんはじめ皆さん 楽しい二日間でした。ありがとうございました。
(Y.S.)
コース記録
8月31日(第一日目)
新宿7:00(特急あずさ1号)⇒9:07茅野〜バス9:20⇒10:15北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅⇒10:45山頂駅11:00→11:25森林浴展望台→12:00五辻のあずまや(昼食)12:20→13:00斧立ちの森→13:50麦草峠14:10→白駒池・青苔荘15:00
9月1日(第二日目)
青苔荘7:00→白駒池一周7:45青苔荘8:00→9:00高見石9:45→10:30青苔荘10:50→11:30麦草峠(昼食)〜バス12:50⇒14:02茅野〜15:18(特急あずさ22号)⇒17:23新宿
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