スリル満点根子岳山行
菅平高原・根子岳 2207m 2017年11月2−3日
今回は当初、温泉組と登山組に分けての山行であったが、根子岳登山だけなら下山全員で登れると安易に考え、登山を開始した。このことが後の大変な結果を招くこととなったが、なんとか無事に下山することが出来た。参加者の冷静沈着な行動のお蔭である。
東京駅6:28発はくたか551号の車内集合であったが、Sさんが乗り遅れて9人での出発となった。予定通り上田で路線バスに乗り換え、菅平高原に向かった。その間Sさんとの連絡を何度か試みたものの連絡が付かず諦めて、菅平高原のバス停から根子岳登山口に向かって歩き始めた。途中こちらに向かってゆっくりと進んできたタクシーが、急に止まって1人降りてきたと思ったら、まさかのSさんであった。これで10人全員揃っての登山に成った。
1時間程車道を歩いて登山口に到着し、準備運動を済ませ登山を開始する。初めは牧場の中を真っすぐに緩やかに登って行く、30分で展望デッキのある東屋に到着、そこには雪を被った北アルプスの乗鞍岳から後立山連峰の白馬岳まで全てが見晴らせる壮大な展望が広がっていた。ここからは樹林帯を進み、暫くはダケカンバの林の中を歩く。やがて森林限界に近づくと山頂が望めるようになり、そこからはガレバの道が頂上へと続いていた。登山口から歩き始めて2時間半、漸く全員揃っての登頂を果たし、天気にも恵まれ360度の眺望を堪能した。
しかし、ここから先が大変であった。先ず四阿山方面に向かうが、鞍部に降りるのに雪の残った崖っぷちの道を下る。漸く鞍部に降りてなだらかになった道を進むと、四阿山の分岐までの登りが待ち受けていた。
標高差350mの残雪の急登を一気にと行きたいところだが、悪戦苦闘して漸く登りきった。根子岳から費やした時間が2時間半(一時間以上予定をオーバー)既に午後3時を過ぎていた。ここからが2時間半の下りの予定だが、皆相当に疲れている様子で3時間以上掛かかりそうである。日没を覚悟して山を下り始めた。
登山道は山麓に向かって一直線の下りだけの道であるが相当に長く、延々と続いているように感じる。下るに従い段々と日が沈み始め、5時過ぎには完全に沈んでしまった。まだ歩けるような明るさだが、次第に薄暗くなり足元がおぼつかなくなる。
5時半を過ぎるとほぼ暗くなり、月明りと懐中電灯の灯りだけが頼りである。途中牧場の牛に道をふさがれたりしたが何とか抜け出し、6時30分、漸く今日の宿泊のホテルに辿り着いた次第である。(遭難しないで良かった)この後は、ゆっくりと温泉に浸り、生ビールを味わい今宵の料理に舌鼓を打った。
2日目は一日目が目いっぱいだったので、朝からゆっくりした。10時過ぎの送迎バスで上田駅に向かい、駅で荷物を預け、歩いて上田城址公園に行った。丁度紅葉が真っ盛りで「上田城紅葉まつり」が開催されていて観光客で人が溢れていた。
いろいろとイベントが行われているようで各種露店が出ていたり、メインステージの前は人がごった返しにしていた。また信州真田鉄砲隊演武が催され、甲冑を着た武士が勢揃いをして火縄銃を撃ったりして城内には鉄砲(大筒?)の音がこだましていた。その後は近くの立ち寄り湯でまた温泉に入りのんびりして16:30上田発の新幹線で帰京した。(S)
<参加者のひと言>
★根子岳はかなり昔に一度登ったことがあり、楽な山だったように思っていた。実際は登山口までの1時間に及ぶ車道歩き、根子岳頂上からの下山で四阿山への想定外の登り返しがあり、結構歩きがいのあるコースだった。また、浪漫会としては初めての日没後の暗闇の中での下山となってしまった。幸いなことにライトだよりの歩行がなだらかになってからの登山道だったので事なきを得たが、やはり秋から冬にかけての山行はメンバー全員がヘッドランプか懐中電灯の携行が必須だと再認識させられた。宿泊したホテルは快適だった。特に早朝の露天風呂からの浅間連山の景色は最高だった。
(白毛門)
★今回の山行はミステリーの連続で、私にとって忘れられない想い出の一ページになりました。皆に大変ご迷惑をおかけし御免なさい。助けて頂き、本当に有り難うございました。又見知らぬ青年にマッサージして頂き感謝感謝です。暗い中での山歩き、牧場の牛が大きく不気味な感じで圧倒されましたが、山仲間と良く笑い、楽しんだ山行でもあり、皆さんとの絆が一層力強くなり、有意義な山行だったと再確認致しました。有り難うございました。
(M)
★手前に浅間、湯の丸、鳥帽子、奥には雪化粧の北アルプス
雄大な景色を堪能できました。
近頃はぬるま湯体質の生活に慣れつつあります。
久々に五感全開での山行でした。
クマササとゴロゴロ石、月あかり、チリンの鈴の音。
有刺鉄線など等
リーダーの齊藤さん皆様、有難うございます。
本当に楽しい根子岳でした。
(ひとつぶくりこ)
★上田駅に遅れて着く。仲間たち怒っているだろうなぁ?
ようやく着いた上田駅でバス停に行く。が、仲間たちは居ない。
タクシーを飛ばし、菅平高原に着く。が、居ない。
どおしよう。
タクシーで(菅平高原のバス停方向へ)後戻り。
仲間が来たー。会えて嬉しかった。
(S)
★素晴らしい山行で、リーダーはじめ仲間にありがとうの気持ちでいっぱいです。特に鈴はアクセサリー程度にしか考えていなかった私にとって「希望の音色」でした。忘れられない山旅となりました。
(K)
★赤い糸で結ばれていたはずのOさんとSさんの二人。森下の駅で手を離してしまったのか、イヤイヤをして手を振り切ったのか、状況はさだかではありませんが、それから3時間。もはやこの日は永遠に会うことがないとあきらめていたところ、菅平のバス停から根子岳の登山口を目指して登っていく我々9人の前に、何と1台のタクシーが下ってきて、静かに路肩に停車したではありませんか。後部座席のドアが開いて、感動的なドラマが始まったのです。まるで道ならぬ恋に落ちた二人が都会のプラットホームで離ればなれになってから、100キロも離れた高原で再会したのです。映画のクライマックスを見るかのようでした。その一部始終を間近に見た我々は思わずもらい泣きしました。
ようやく揃った真田十勇士はいざ、丘を越え山を越え、根子岳から四阿山への分岐を経て、暮れなずむ北アルプスを眺めつつ、なだらかな高原の下りを満喫する、はずでした。ところが、実はここから暗夜行路が始まったのです。あとは、小柳ルミ子さんの「瀬戸の花嫁」の節回しでお願いします。題して、戯れ歌「根子の鼻歌」です。
? 山は夕暮れ 夕焼け小焼け
? 牧場の牛さん 通して下さい
? 暗くてだれもが 心配するけど
? 笑いがあるから 大丈夫なの
(G)
コース記録
1日目
東京駅6:28→上野駅6:34−北陸新幹線はくたか551号→7:53上田駅8:15(路線バス)→9:10菅平高原(ダボス)→9:55菅平管理事務所(登山道入り口)10:25→13:10根子岳(昼食)13:50→15:15四阿山分岐→18:30あずまや高原ホテル(宿泊)
2日目
あずまや高原ホテル10:05発→送迎バス→10:55上田駅11:05→徒歩→11:20上田城跡公園12:50→徒歩→13:05上田駅13:20→(路線バス)→西洋旅籠館・しなの木温泉(昼食・入浴)15:45→(路線バス)→16:00上田駅16:30→はくたか568号→17:46上野駅着→17:52東京駅着後解散
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