三浦半島の‘最高峰’、低山ながら汗だくの上り下り
大楠山 242m 2023年9月30日(土)
二転三転、傘マークがついたり取れたりと、秋の天候は読みにくい。誰が言ったか、「女心と秋の空」といった比喩が頭をよぎりつつ、気象庁のレーダー雨量観測所が立つ三浦半島の真ん中、大楠山に向かった。錦糸町乗車組と東京乗車組は定刻無事合流。逗子駅からの路線バスは葉山御用邸を横目にサーファーでにぎわう海岸線を一路走り抜け、全員、前田川の入口近くのバス停に降り立った。
見上げると鈍色(にびいろ)の空、遠くには黒い雲も見える。まずは準備体操だ。250m足らずの低山ではあるが、先日の雨上がりの下見段階で予想以上に手こずった山道、急登の上り下りの木段を思い出し、入念に身体をほぐす。
住宅地のすぐ近くから河原に降りて、沢沿いに進む。道が途切れると、その都度手頃な飛び石がこっちの岸から向こう岸に渡してくれる。濡れている石には要注意。苔むした石には要警戒だ。ちょっとした沢登りをすること15分ほどして登山口が現れた。
照葉樹の森が道の両側を覆う。風もなかなか通らない。たちまち汗だくになる。途切れることのない木段を我慢して登る。緑の山道脇に一輪、二輪と真っ赤な曼珠沙華が現れ、鮮やかな自然の造形に目が癒やされる。ざっくりと切り落ちた斜面の脇を通り抜け、木の根っこに足を絡み取られぬよう慎重に高度を上げ下げする。
いつしか道はなだらかになり道幅が広くなったかと思うと大楠平に着く。目の前に立派な展望塔が屹立していて、ドーム型の頂上部分を取り巻くように東西南北、レーダーがいくつもぐるりと備え付けられているのが見て取れる。途中まで階段で登ると、油壺の向こう、東京湾越えて房総半島の山並みが見える。
ここから大楠山はもう指呼の間だ。結構な急坂を越えて、お腹も空いた。200段ほどの山頂の階段を登り切ると、すでに先着の多くのハイカーが弁当を広げたり、地図とにらめっこしていたりする。頃合いはちょうどお昼だ。おにぎりをほうばり、山頂の雰囲気に浸ることしばし、下りにかかる。
下りは湯ノ沢沿いの道を取る。この先は、まだ急坂がしばらく続くので、これまで以上に慎重な足運びが必要だ。さらに待ち受けるのは川の上にかけられたコンクリートの橋。、幅50センチほどしかない。つかまるものもない。増水時の対応を考えて、あえて、ひときわ高い所に設置しているのだろう。スリリングな渡渉だ。
山頂を出て1時間余り。横浜横須賀道路の下をくぐるトンネルにぶつかる。ここまで来れば、あとはわけない。住宅街を縫うように伸びる舗装路を談笑し、途中の野菜な無人即売所を冷やかしながら歩くと、逗子駅に向かう大楠山登山口のバス停に出る。
(G)
(余談)
冒頭、「女心と秋の空」と書いたが、実はこのフレーズ、「誤用」のようで、本来昔は「男心と秋の空」として使われていたことは余り知られていない。
「女心と秋の空…女の男に対する愛情は秋の空模様のように変わりやすいということ。『男心と秋の空』が本来のかたち」(大辞泉から引用)
<参加者のひと言>
★低山でもアップダウンが多く、汗だくになって登りました。今日、山で買った栗を食べながら山歩きの余韻に浸っています。来週もよろしく。
(アンビ)
★ハイキング以上登山以下。足慣らしプラス仲間とのコミュニケーション。程良い休日でした。
(オ−デ・コロン)
★久しぶりの山歩き。
たっぷりの汗と、心地よい充実感のある1日となりました。
難所もほぼ無く、標高差も今の自分のレベルに合っていたので、楽しい時間を過ごしました。
皆さん、ありがとうございました‼️
(K)
★歩きだしは小川の淵や石伝いに渡渉したりとルンルン気分、まるで「等々力渓谷」を歩いているようだ。が、登山道に入ると一変。急な階段の連続で、風も通らず大量の汗が背中を流れる。久しぶりの山行で体がついていけない。山頂の広場は大勢のハイカーで賑わっており、地元の人たちに愛されている山のようだ。帰路でハプニングが一つ。頂上で集合写真を撮ってくださった人たちと横須賀線の電車内で遭遇。時間的にどこかの休憩場所で水分補給をしたのだろうか…?
(白毛門)
★記録的猛暑の最終章を迎え、最期の悪あがきの様に朝から蒸しており、気だるさを払拭すべく、バス停先の小川脇でストレッチを開始。
なんの変哲もない、緩やかなせせらぎを前に『ヘッ、ここで?』と思ったが、この浪漫会のルーティンワークがこれから続く、でっかいおはぎの様な飛び石の連続と後々の踊り場も無い、階段急登と下降に活きていたことを思い知らされた。
コースの印象としてはあまりにも人工的な整備が施されており、賛否両論あろうが、小川には魚も虫類も見つからず、少なくとも彼等の領分としては不適格とされたのかもしれない。
コースのアップダウンについての質問に、『アップ、アップ、アップ!』『ダウン、ダウンかな?』とのリーダーの回答に得心。せせらぎとは一変しての雨の多さを想わせる湿性植物に覆われた段差の連続に汗腺全開。日頃エアコンで押さえつけられた汗も今日は無礼講とばかりに噴き出す。
広い山頂にはかなりの人達が集まりはじめたので、我々も昼食を終えて撮影後、退散しようとしたところ、シャッターを押してくださる方がいた。その仲間の方から『どちらから?』との問いに『東京から』と答えると、『わざわざですか?』とのこと。彼等は横浜からお出でで、ここは神奈川県民の格好のハイキングコースらしい。
沢歩きからは全体像が全く読めない、小粒でもピリッとした侮れないコースだ。
スッキリした空気の時期に遠望とともに再度訪れたい。
なお下りでも大汗をかいたので、堪らず居酒屋に駆け込み、反省会のビールで締めた。
(ヤマジジイ)
★8月下旬にコロナ陽性、10日間の自宅隔離を過ごし、その後猛暑もあり自宅で過ごす事が増えてしまいました。
そして久しぶりの山歩き、足ならしにちょうど良いかなと思っての参加でしたが、大変きつかったです。
いい汗をたくさん掻きましたが、月曜日か火曜日辺りの筋肉痛が心配です。
足元ばかりを見ての山歩きのためか、残念ながら大楠山で大楠を見ませんでした。
路傍にあるヤブミョウガやヒガンバナ、ヤマシロキクが目に留まりました!
大野リーダー、みなさんお世話になりありがとうございました。
(W)
★沢の飛び石をみんなで快調にピョンピョン飛んで始まった大楠山だが、登りになると風が全く通らない道になり、次から次へと出る汗が引かないのには参った。山頂は大きな広場で房総半島や東京湾の海を眺めながらのんびりと何となく秋を感じながら弁当をたべた。
(手拍子足拍子)
★猛暑で引きこもっていたせいで重みを増した体には、貴重な刺激となりました。
逗子の海の青さと白い船、空の青さと白い雲。爽やかでした。
無人販売所で買ったオクラは、夕飯の一品に山芋添えで。とろーりねばねば最高に美味でした!
皆さんお世話になりました。楽しかったです。
次回も楽しみにしています!
(とむちゃん)
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コース記録
錦糸町8:01=(横須賀線) =東京8:11=9:13逗子
逗子駅9:33 =(京急路線バス) = 9:55前田橋停10:00 …10:20登山口入口10:25…11:40大楠平展望台1150…12:00大楠山12:45 … 13:25横浜横須賀道路トンネル…13:45大楠山登山口バス停14:03 =(京急バス) =14:20逗子・葉山駅/逗子駅(解散)