「はるかな尾瀬」の変貌に「ユニット500」も感慨深く




尾瀬ヶ原 1590m  2025922()23日(火・祝)


秋なのになかなか「夏」が過ぎない都心を抜けて、「夢見て咲いているはるかな尾瀬水のほとり」に立てば、心地よい風が漂い、やはり秋の気配は濃厚だ。あちこちに草紅葉が広がり始めていて、尾瀬ならではの風景に身も心も軽くなる。さて、久しぶりの尾瀬は、どんな変貌を遂げているのだろうか。

新宿発の高速バスに揺られること4時間、尾瀬の玄関口戸倉でワゴンに乗り換えて鳩待峠に昼前に到着した。平日であったせいか、途中の高速の流れが順調で、また予定していたシャトルバス代わりの客待ちのワゴンをすぐにキャッチ出来たことで昼食タイムも余裕持って確保できた。



<発見その1…インバウンド?>


しばらくぶりの鳩待峠に驚かされたのは、かつての峠の茶店ならぬ売店は閉店していて、洒落たたたずまいのカフェ&レストランが91日にオープンしていた。星野リゾートによるホテル付き売店だ。名付けて「LUCY鳩待(るーしー・はとまち)」。若者好みのこじゃれたたたずまいだが、狙いはやはりインバウンド需要、外国人誘致だろう。


<発見その2…網目ゴム板>


湿原のわきで尾瀬といえば「木道歩きによる池塘(ちとう)巡り」というのが代表的なイメージだが、そのためには峠からまず山の鼻まで1時間余、石畳やぬかるんだ道を歩かなくてはならない。雨でも降れば、優しい木道が一転危険な滑りやすいアプローチになってしまう。実際、ここで何人もスッテンコロリンした人も多い。それが、今回、下り坂を中心に網目模様のゴム板が木道の幅で所々に敷かれているのに気がついた=写真下=。山小屋のご主人「よっちゃん」によれば、「まだ実験段階ですが、様子を見て増えていくんじゃないですか」とのこと。やはり、これも人口減に伴う新たな客層開発の一環か。「スニーカーでも来れる尾瀬」をキャッチコピーにする日が来るのかもしれない。


<発見その3…絶え間ないインフラ整備>


山の鼻に入って一息つくと、ここから尾瀬ヶ原の広大な湿原が目の前に広がって来る。目の前には雄々しい燧(ひうち)ヶ岳、しばらく歩いて振り返ると至仏山の威容が現れる。今回は人の入りが少ない平日とあって、静かな秋の散策にはもってこい。どこまでも続く湿原にはシラカバの木がポツン、ポツンと見えて、旅情を深める。

本来は「逆さ燧」が見られる水面も秋風の波紋に邪魔されて現れない。そんな湿原のあちこちで現在は木道の入れ替え、付け替え作業が見られる。毎年、数億円の予算を投じて計画的に行っているようで、日本列島のインフラが劣化時期を迎えているため至る所修復箇所が増えているのと同様、尾瀬でもインフラ工事が急ピッチで進む。

尾瀬が国立公園に指定される前から、その4割が東京電力の前身の会社に帰属し、後ろ姿環境保護か発電事業か、東電は選択を迫られて結果、折からの自然保護運動に配慮して現在は保護活動に舵を切り、企業イメージ作りにも役だっている。

気づくのは、湿原の水面から木道までの高さが以前にも増して次第に高くなっていることだ。相次ぐ洪水対策のために、もしかしたら10年、20年たったら、高い木道ばかりが印象に残る尾瀬散策になってしまわないかと若干気になる。



<発見その4…真下は竜宮城?>

尾瀬の湿原の下に何があるのか? 某局のテレビクルーが少し前に湧き水の下に潜って尾瀬の豊富な水量の水源とその流れを調べたところ、カルスト地形に混じって泥炭層の壁が至るところにあり、泥炭のためとても怖くて潜水作業を継続できなかったという。山小屋の「よっちゃん」によると、「竜宮城があるんですよ」という。「だから小屋の名前は竜宮小屋」か。これこそ「我田引水」?


<発見その5…陰の主役との遭遇>

九州を除いて日本列島、ほとんどクマが出没しないところはないというぐらい、最近はクマとの遭遇が心配される。今回も、あらかじめ参加者に熊よけの鈴の持参を周知した。そもそも尾瀬は昔からクマの出没が多いことで知られている。木道にクマが座っていて、それを荷揚げの尾瀬ならではの歩荷(ぼっか)とハイカーが遠巻きにじっと伺う。国立公園では猟銃を使用出来ず、せいぜい爆竹で撃退する方法しかない。木道にあぐらをかいているクマをじっと見守るわけだが、実際クマを前にすると笑えない状況だろう。

リーダーだからといって先頭を歩かなければならないという法はないと言いたいところだが仕方ない。しばらく使ってないストックを持っていこうと決めた。急斜面用というよりは、クマ対策の一助になるかもと思ったからだ。

尾瀬のクママップを見ると、出没情報多発箇所は群を抜いて尾瀬の木道の入口である山の鼻付近に集中している。実際、竜宮小屋の山ノートにも目撃情報の詳報とクマの親子の絵が描いてある=写真左=1ヶ月の「812」とあるからほぼ一月前だ。

3年ぶりに来たら山の花(原文のママ)でツキノワグマの親子に会い、子グマにもちょっぴりツキノワがついていてかわいかった。(竜宮小屋の)夕飯も美味しかった」。くるみちゃんという女の子がパパと来たらしい。出会ったクマの絵が描いてありました。のどかな記述です。クマの夕食にならなくて良かったね。

<発見その6…ユニット500

たわいもない話から秀逸なキャッチフレーズが往々にして飛び出す。この時もそうだ。山小屋のご主人、自ら「よっちゃん」という。我々が帰り道の戸倉で営業しているそば屋を訪ねたら、すぐに携帯を取り出して電話してくれ、「モシモシ、よっちゃんですウ。これから7人が行くからね」と電話の向こうのそば屋に早速つないでくれた。今回、宿帳にはメンバー全員の年齢が必要で、合計年齢がほぼ500歳だったので「〝500歳のグループ〟だからね」というわけだ。我々もよっちゃんも、確かにその通りだと笑い転げた。グループ名「ユニット500歳」の誕生秘話だ。

G

<参加者のひと言> 

50年ほど前、まだ新入社員の時に同僚たちと車3台で尾瀬に行った記憶があります。ただ、何処を歩いたかも全く覚えていないし今回が初めてのような気分です。

天気に恵まれたくさん木道を歩きましたが、気持ち良く爽やかな気分であまり疲れ感じませんでした。

草紅葉草紅葉のはじまりやサラシナショウマ、ウメバチソウ、トリカブト、リンドウ、アキノキリンソウ、オミナエシ等の秋の花々に出会い、楽しいひと時を過ごせました。

皆さんありがとうございました。星空を見逃したのが残念!」

W


尾瀬は何回も来たところですが、いつ来てもいい所です。今回はまだちょっと早かったですが草紅葉が楽しめました。天気にも恵まれ、草原の奥に輝いて広

がる草紅葉は飽きることがありません
。帰り際に食べた天ぷらそばも忘れられない一見です。リーダーの大野さんありがとうございました。

S


やまの高原、湿原に、龍宮がありまして、古けれど、清掃行き届いた小屋でした。


朝の味噌汁のあじが上品です、かたちは、ミカンのいちょう切りが、具にありまして驚きました。


でも、本当は、なにものかはわかりません、確認してなかったですので。

びっくりして、一句

 朝もやの

リンドウ

   龍宮宿

     ミカンの具

この年、自然界で熊と対峙したニュースがたくさんありまして、登山口で、思った。

  鳩待は

    熊よけ鈴の

      音さわぐ

K


尾瀬に来るのは久しぶりですが人の少なさに驚きました

木道を行く草紅葉が少し進んだ、秋の景色はすばらしかったです

昼食で食べた天ぷらのボリュームに圧倒され、しばらくは天ぷらを口にすることができ

そうにありません

(アンビ)


久しぶりに尾瀬ヶ原を訪れ、雄大な自然をゆっくり楽しむことができました。

草紅葉にはちょっと早かったけど、それなりに色付いており、燧ケ岳を眺めながら広大な尾瀬ヶ原を歩くのは最高のぜいたくでした。

池塘に咲くヒツジグサや橋の上からイワナを探したり、「逆さ燧ケ岳」のビューポイントではさざ波で邪魔されたり、ワイワイお喋りしながらハイカーの少ない木

道を歩きました。今年は熊の目撃情報が報告されており、特に山の鼻周辺は多いとのことで木道に設置された鐘を叩きながら注意して歩きました。幸い熊との

遭遇は無く良かったです。また、鳩待峠と山の鼻の間の木道は雨に濡れると滑りやすくスリップして転倒する事故が多かったが、下りの木道には網目のゴムが設

置されており安心して歩けた。「TEPCO」に感謝。下山後は竜宮小屋のオーナーの紹介で入った「カモシカ村」で昼食、お蕎麦の天ぷらにびっくり。細長いナス、

肉太の舞茸、パリパリの春菊、サイズ違いの親子ピーマンなど、とにかくボリュームたっぷりで1300円でした。帰りの高速バスは当然ことながらスヤスヤ夢の中

でした。最後に、平日を絡めて山行を企画して頂いたリーダーに感謝。宿泊した小屋も、木道歩きも尾瀬とは思えない静かなハイキングを堪能できました。

(白毛門)

大きな空と下に広がる湿原、尾瀬は何度来ても良い。東京の長引く残暑がウソのよ橋の上でうな暑くもなく寒くもない、時々日差しが差す気持ちの良い陽気だ。まだ

草紅葉にならない黄色の湿原と遠く緑の森の淵を彩る白樺の木の白い色がきれいだ。池塘には時間を間違えたあわてんぼうのヒツジ草の小さな白い花が一

つ、二つ咲いている。燧ヶ岳を正面に真っすぐにのびる木道を七人合わせて五百何歳がのんびり歩く。なんだか山遊浪漫会の理想的な山行に思えてきた。最後

の締めは竜宮小屋の主のおすすめの戸倉の蕎麦屋のマイタケ、長茄子、等々の食べきれない巨大てんぷらで大盛り上がり。リーダーの大野さん、皆さん有難う

ございました。  

(手拍子足拍子)






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尾瀬写真特集その1 尾瀬写真特集その2



コース記録

9/22 ( = 交通機関使用  ⇒ 歩行 )

新宿7:15=(関越バス・尾瀬号)=1050尾瀬戸倉11:10=(シャトルワゴン) =1135(昼食)鳩待峠12:05⇒13:05山ノ鼻⇒⇒14:10牛首⇒⇒15:05竜宮小屋(泊)


9/23

竜宮小屋(朝食6:00)700⇒⇒800ヨッピ吊り橋⇒⇒845牛首分岐⇒⇒935山ノ鼻=⇒⇒1045鳩待峠(シャトルワゴン)⇒1120戸倉(昼食)13:30=(関越

交通バス・尾瀬号)=1840新宿 解散

 

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