奥多摩の展望と白く薄化粧した尾根歩きを楽しむ
笹尾根(槇寄山) 1188m 2014年12月6日
三頭山から浅間峠までの小さなアップダウンが続く笹尾根は歩く人が比較的少なく、静かな山歩きができる。下見では笛吹(うずしき)入口から小棡(こゆずり)峠に登り、尾根を丸山〜笛吹峠〜数馬峠〜槇寄山まで歩き、数馬峠に戻り数馬の湯へ下山したが、展望のない小棡峠〜笛吹峠をカットしたコースを選択した。
ホリデー快速奥多摩1号・あきがわ1号は拝島にて切り離され、それぞれ奥多摩駅、武蔵五日市駅が終点である。先頭から4両(10〜7号車)があきがわ1号、後ろ6両(6〜1号車)が奥多摩1号だ。いつものことだが目的の山と乗車車両のミスマッチをする人がおり、今日も途中駅で移動する姿を見かけた。武蔵五日市駅に到着、即トイレに直行、早々に用を済ませバス乗り場に駆けつけると既に長蛇の列。休日の9時発数馬行バスはいつもこんな状態のようだ。2台増便があり運よくメンバーのほとんどが座れたバスはほぼ定刻通りに目的地に到着。20名位のパーティーとトイレ争奪戦の後、「中央区の森」から大羽根山を目指す。
ジクザクの登山道はよく整備されている。コース脇の木にはプレートで名前が書かれていて非常に多くの広葉樹があるのを知った。今朝の冷え込みの影響だろうか、いたるところで霜柱ができている。踏むとサクサクして気持ちが良い。下山時に気温が上がってぬかるみにならなければよいが…。
大羽根山では思っていた以上に展望が良く、眼下に浅間尾根、西に三頭山、正面に御前山、大岳山、馬頭刈山などが望める。天候が怪しくなってきた。登り始めは晴れ間もあったが、曇り空に変わり、ちらほら白いものが舞ってきた。雪というよりあられのようだ。登山道がいつの間にかうっすらと白くなっている。今季初めての体験だ。
笹尾根に合流して、西に10分ほど進むと数馬峠に着く。富士山の頂きが雲に隠れている、チョット残念。ここで昼食。気温はさらに下がってきているようだ。この峠では男性二人がしきりにトランシーバでなにやら連絡を取っている。話を聞くと、今日はトレランの大会(注)開催日で、ここ数馬峠ではゴールの数馬の湯へのコース案内とチェック(巻き道NG)をしているとのこと。我々はもう少し先の西原峠から数馬の湯へ下る予定なので影響はないとたかをくくっていたが、実はこの先とんでもない事態になろうとは…。笹尾根を堪能すべく槇寄山に向うも、コースタイムが満足に記録できないほど手先がかじかんできた。早くお風呂に入って温まりたい。本日の最高点槇寄山まで足を延ばし、早々に下山開始。ところどころ白くなった登山道を慎重に下り、数馬の湯に到着。
ここで初めてトレラン大会の影響に気付く。なんと入口に「入場制限、30分待ち」の案内が貼ってあるではないか。山中を走ってゴールしたら汗を流すのは必然成り行き、温泉が混むのは当たり前だ。奇跡的に待ち時間なく入場できたが、脱衣所は大混雑。休憩所で時間調整後、バス停に行ったら大行列。定刻のバスに乗りきれない。運転手の話では増便の手配はしてあるがいつ来るか分らないとのこと。無理してかなりの人が乗り込んだため車内はぎゅうぎゅう詰めの状態。武蔵五日市まで小一時間我慢だ。とんだところで汗をかくはめになってしまった。主催者とバス会社の連係? 参加者の公共機関利用人数読み違い?等、様々な要因が考えられるが、登山者の立場からは大迷惑なトレラン大会だった。実は10月初旬に下見した際に笹尾根の巻き道分岐地点に「トレラン」の案内プレートが設置されているのを何カ所か確認していた。実施日が山行当日とは思いもしなった。事前に調査しておけば避けられたかも…(反省)。最後にうれしい小さな誤算を一つ。気温が上がらず霜が融けなかったこと、おかげで登山道がぬかるみにならなかった。
想定外の出来事(霜、あられ、トレラン)が次々に現れましたが、参加者7名全員元気に下山。2014年最後の山行を無事締めることができました。低山はこれからの季節も楽しめます。来年も元気に山歩きしましょう!(S.S)
(注)第2回ふれあいの道(高尾〜檜原村)トレイルラン大会
開催日:2014年12月6日 (土)
主催:NPO野外活動(自然体験)推進事業団
コース:高尾陵南公園〜大垂水峠〜城山〜陣馬山〜和田峠〜連行峰〜生藤山〜三国峠〜浅間峠〜数馬峠〜数馬の湯
種目:42.2km、定員:男子400人、女子200人
コース記録
新宿(ホリデー快速あきがわ1号)7:44=8:48武蔵五日市(バスに乗り換え)9:00=9:52浅間尾根登山口10:05=大羽根山11:25=12:05数馬峠(昼食)12:30=田和峠12:50=13:15槇寄山13:20=14:40数馬の湯16:00=16:12温泉センター(バスに乗車)=17:10武蔵五日市17:21(ホリデー快速あきがわ6号)=18:22新宿