冠雪の富士の嶺仰ぎ、山頂で餅つき

景信山727m 2009年12月12日(土)

 登山口からちょうど1時間。初冬の山道を登りつめると、白いいただきの富士の嶺が紺碧の空をしたがえるように、素晴らしい稜線を描いて景信山の山頂で餅つきいた。高尾の山々は四季を通して人気があるが、師走の景信山も、多くのハイカーでにぎわっていた。

 前夜午後7時過ぎ、小屋の御主人青木さんとの連絡で、餅つき実施に向けてゴーサイン。未明までの降雨予報で気をもんだが、このゴーサインを確認し、準備万端の我々は京王線新宿駅3番ホームに集合した。21人めいめいのザックには、分担して荷揚げする餅つきの材料、具材がいっぱい詰め込まれ、まるでキャンプに向かう小学生の心境だ。高尾駅まで、京王線特急で40分余。高尾駅北口のバス停留所は、バスを待つ乗客の長い列が出来ていた。しかし、臨時のバスも増発されるため、心配ない。中央自動車沿いの狭い道を抜け、小仏のバス停に、予定通り到着した。

 ややきつい傾斜の山道を一歩一歩登る。もともと高尾の土質は粘土質で足元はすぐにぬかるむが、やはり前夜の降雨のため、泥んこで歩きにくい。落ち葉の下に隠れた木の根っこに足を滑らせないように、慎重にゆっくりと上がる。ちょっと樹林が密なところは、日が入り込まず暗いが、ほどなく行くと、都心が一望できるビューポイントに出る。澄んだ大気の中、新宿の高層ビル群はじめ、水平線に広がる大都会の眺望をわがものに出来る。真っ青な大空の下に、あっちにもこっちにも高層ビルが林立しているのがよくわかる。

 ひとしきり、絶佳の眺望を楽しんだ後、さらに進むと、小木沢林道に至る分岐点だ。ここまで来ると、山頂はもうすぐそこ。同じようなハイカーとすれ違ったり、追い抜いたり、追い越されしながら登る。頂上直下の最後の階段を登ると、テーブルやベンチが数多く配置された景信山の小屋だ。小屋の向こうに、雪に覆われた富士山が見える。登頂のご褒美だ。冬の富士山は引き締まり、美しい。

 さあ、餅付き準備だ! 女性陣が手際良く、つきたての餅に絡める黄粉やあんこをタッパーに入れたり、納豆をかきまぜる。隣でダイコン持参をおおせつかったTさんが慣れぬ手つきながら、懸命にダイコンをすりおろす。それぞれが用意した湯の入ったテルモスを並べ、紙皿や食器を整える。そうこうするうちに、小屋の御主人青木さんが、ふかしたてのモチ米ひと臼分(2升)をもってきてくれる。まず、杵であつあつのモチ米をこね、相方との呼吸が整ったところ餅つきを終えて、景信山の小屋前でで、餅つき開始だ=写真上=。ぺったん、ぺったん。つき手が次々と交代し、合いの手も、かけ声もそれらしく、臼を中心に、にぎやかな歓声が広がる。最初は見ていた女性陣も、要領を覚えて、ぺったん、ぺったんと餅つきの輪に加わる。我々の楽しい餅つき風景を見ていた別のグループがうらやましそうに見物。2升の餅が、みごとにつきあがった。すぐに湯を入れたボウルに移し、あんこや黄粉をからめる。待ちきれないとばかりにお椀に取り分けたメンバーは「うん、うまいッ!」「おいしいよ!」。さらに、もうひと臼(2升)も上手につきあげた。いろいろな食べ方を楽しみ、食後は、にわか作りの喫茶店の開店だ。

 食べきれなかった餅は、各自用意したタッパーに入れて、撤収作業。山頂での2時間はあっという間に過ぎた。小屋の御主人に記念撮影=写真下=をお願いし、下山にかかることにする。

 小仏峠から、一丁平を抜け、高尾山へ。好天に誘われて、高尾山の山頂は、ハイカーで大賑わいだ。薬王院経由の1号路で下ることにし、途中からは、「歩き」と「リフト」の二手に分かれて高尾山口で合流することにしたが、何と「歩き」グループの健脚組が、リフトよりも先に到着したのには驚きだった。(G)

山行を終えて
前日の雨で危ぶまれましたが無事餅つきができてよかったですね。
12月としては異例の暖かさで、風もなく穏やかな一日をみなさんと楽しく歩くことができて感謝しております。
今度は22日の忘年会ですね。楽しみにしています。(S)

コース記録

新宿7:30=(京王線特急)=8:1高尾/高尾北口8:32=(京王バス)8:50小仏バス停9:05⇒⇒9:0景信山登山口⇒⇒10:0景信山12:0⇒⇒小仏峠⇒⇒14:25高尾山14:40⇒(1号路)⇒15:30京王線高尾山口

高尾山口15:59=北野=17:00ごろ新宿



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