雨の中ようやくたどり着いた山頂では、雷鳥が我々を出迎えてくれた
甲斐駒ヶ岳 2967m 2011年8月20日(土)〜8月21日(日)
甲斐駒ヶ岳は昔から信仰の山として登られてきた。花崗岩に覆われた山はどの方向から眺めても端正なピラミッドが見事で、日本屈指の美しさを見せている。
新宿8:00発あずさ号に5人集合、今回の参加は6人だが一人加藤さんが前夜発の夜行バスで現地に向かい、仙丈ヶ岳を目指し登頂後北沢峠で合流の予定である。甲府で下車し、バスで約2時間広河原に向かう。心配していた雨は既に降り始め、市営のマイクロバスに乗り換え北沢峠に向かう。雨の中、北沢峠バス停で降り、雨具を装着していると全身ずぶ濡れの加藤さんが現れ無事合流。全員そろって今夜の宿・仙水小屋へと出発する。林道を少し戻り、北沢沿いの道を歩く。沢の脇の登山道はゆるやかで歩き易く、沢を右に左に渡り返すうちに、13:40難なく小屋にたどり着いた。雨具を干して夕食までの時間を小屋の中で過ごす。晴れていれば小屋の前のベンチで小仙丈を眺めながら、ゆっくり飲めたのに残念である。それでも小屋の中で持ち寄ったウイスキーを、全て飲み干してしまった。夕食は4:30と早かったが宿泊料(6500円)の割には豪勢で皆ビックリしていた。翌朝は朝食が3:30ということで6時には就寝についてしまった。
朝5時まだ雨脚は強く登頂出来るか判断出来ず、とりあえず駒津峰までを目指し、仙水峠へと小屋を出発。外はまだ暗くヘッドランプの明かりを頼りに樹林帯の中を登る。しばらくすると周りがようやく明るくなり、視界も開けてきた。ごつごつした岩の斜面を登りきると仙水峠に着く。峠からは樹林帯の中、標高差480mの急峻な登りが続く。森林限界を抜けハイマツ帯をひと登りすると、ようやく標高2740mの駒津峰に到着。ここで休息を取り、その後雨脚も弱く、風もそれほど強くないので頂上を目指すことにした。
やせた岩尾根を注意深く下降気味進み、六万石から直登をさけ右に巻き、岩を上ったり降りたり岩との格闘を繰り返すうち、花崗岩の白砂に覆われた景色が現れ、ようやく山頂付近に着いた模様である。霧のため視界も悪く、時折雨交じりの突風に吹きさらされ、白砂の道を一歩一歩踏みしめながら山頂を目指した。やがて山頂直下の黒戸尾根分岐に出てあとわずかで頂上である。頂上は風が強そうなので、登頂後はここで休憩を取ることにして、山頂に登った。雨の中仙水小屋を出て3時間45分ようやく2967m甲斐駒ヶ岳山頂に着いた。眺望は全くなかったが、唯一雷鳥が我々を出迎えてくれた。早々に山頂に建つ石積の祠の前で証拠写真を撮り、先ほどの分岐まで降り休息を取った。微かに日も差してきてホットした気分になった。
駒津峰までは来た道を下山する。花崗岩の白砂は雨に湿って思ったほど滑らず、スムーズに下降出来る。雨もようやく小康状態になり、そのうちすっかり上がってしまった。駒津峰には予定よりだいぶ早く着いたので、北沢峠のバスを一本早めることにして下山を急いだ。駒津峰の先は双児山を経由して北沢峠に降りる。ハイマツ帯のガレ場を下り、双児山を登り返し、その先は樹林帯の中を延々とジグザグに下る。途中また雨が降り出し散々である。まだかまだかと思っているとようやく小屋が現れ、北沢峠バス停にたどり着き、バスに間に合った。広河原より乗り合いタクシーで芦安駐車場に行き、白峰会館の立ち寄り湯に入る予定であったが、小金沢温泉の立ち寄り湯に変更し、当初のバスの予定を変更しそのままタクシーで甲府まで行くことになった。立ち寄り湯では汗を流し、生ビールを一杯のんで、甲府駅では駅ナカの中華料理店で餃子をつまみにビールを飲み、軽く食事も済ませ、予定より2時間早い「かいじ号」に乗車でき7時過ぎに新宿到着解散となった。(H.S.)
コース記録
【1日目】
新宿駅8:00−(特急あずさ)−9:28甲府10:00−(バス)−11:56広河原12:15−(バス)−12:40北沢峠12:50−13:40仙水小屋(泊)
【2日目】
仙水小屋5:00−5:35仙水峠−7:05駒津峰−8:45甲斐駒ヶ岳−10:20駒津峰-11:10双児山−12:40北沢峠13:05−(バス)−13:30広河原−(乗り合いタクシー)−14:20小金沢温泉(日帰り温泉入浴・休憩)15:30−(タクシー)−16:15甲府17:26−(かいじ)−19:04新宿駅 到着後解散
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