快適な尾根歩きと南アルプスの展望。Oドライバーにも助けられ―
棚横手山 1306m
甲州高尾山 1106m 2013年3月23日(土)
終わり良ければすべて良し。今年度最後の山行は、穏やかな天候の中、当初の予定を変更し、棚横手山から甲州高尾山までの快適な尾根歩きと南アルプスの展望を楽しんだ。
参加人数10名と、若干の淋しさと不安もあったが、その中には、お試し山行の小室さんや初めて一緒に登る岸さんも参加している。新しい仲間と登る山は、それだけでワクワクするし、楽しみだ。
バスはほぼ定刻通りに箱崎ICへと向かう。途中、白河の交差点で大野さんを発見。もちろん、愛犬チロル君も一緒だ。大野さんは、偶然だとメールを流したが、いつもの散歩時間をづらしてのお見送りだろう。感謝しつつ、今日はしっかりとリーダーを務めなければと気を引き締めたが、後に起きる幾多のトラブルが待ち受けているとは、この時点では知る由もなかった。
高速道路の渋滞もそれ程でもなく、余裕の山行になりそうだ。
予定より早く勝沼ICを下り、フルーツラインに入り大滝不動尊を目指す。
勝沼ぶどう郷のユースホステルを過ぎると道は二手に分かれる。右折すれば直接奥宮まで行けるが、ぶどうの郷駅からの送迎タクシーの帰りとかち合いそうな時間帯だ。道幅が狭く、すれ違いが大変なのだ。トイレにも寄るので、前宮経由の左の道を選択した。
前宮でトイレを済ませ、いざ登山口でもある奥宮を目指す。ただし、この道も狭く、途中には頼りなさそうな狭い橋もある。下見の際、バスでも大丈夫と判断したが、橋の手前でドライバーO氏が驚いた。無理もない。一見、バスが渡れるような立派な橋にはどう見ても見えないのだ。
橋の手前で10名全員降車し、O氏の運転に注目。眠そうな朝の顔は一変してロの顔に。二度目のトライで無事に渡り終えた。一同拍手である。一難去ってまた難所が現れる。今度は、狭いT路地の左折だ。ここも何度か切り返し、本線に合流した。何ともO氏には最悪の日である。もちろん、原因はこの私なのだが。O氏、本当にご苦労様でした。感謝です。
奥宮着9時。予定より早くスタート出来そうだ。天気も良く、風もない。午前中は間違いなく気持ちのいい尾根歩きが出来そうだ。奥宮本殿までの急な長い階段をゆっくり登り、ここで記念写真。お疲れのO氏も一緒だ。
赤い大滝不動尊奥宮の本殿と本殿裏に流れる大きな滝が二つ、岩肌を舐めるように流れるのが良く見える。大きな滝の方が雄滝だ。本殿右脇から登山道に入る。トラバース気味に進むとすぐに雪の残った神洗滝がある。冬の間はかなり結氷しているに違いない。
25分程で展望台に着く。富士山も綺麗な姿を見せている。当日、ルート変更を知らされたメンバーだが、これから棚横手山へと向かう。途中、林道崩壊注意の危マークの道をクリアし、富士見台分岐を経て、頂上へと続く急登に挑む。頂上は展望も良く風もないので、少し早いがここで昼飯と大休憩とした。
急登をクリアした後とは思えない程皆元気で、食事中も笑い声が絶えない。
西側には、八ヶ岳、南アルプスの南部まで雪化粧を施した山々が見える。聖岳の三角形も赤石岳付近も良く見える。甲斐駒ケ岳や鳳凰のあたりには雲がかかり全貌は見えないが、それでも南アルプスの山並みは見事である。
東側には大菩薩連嶺はもちろん、滝子山、雁が原、お坊山等が我々を迎えてくれている。
ただ一つ残念なのは、この展望の良さは度重なる山火事の為だ。尾根歩き中も炭化しかけた無惨な木々が、否応無しに目に入る。平成に入ってからでも4度の山火事があり、その範囲は、これから向かう甲州高尾山よりもっと先まで続いているのだ。
充分な休憩の後、いざ甲州高尾山へ。これからはアップダウンの連続だ。
幾つかのアップダウンを繰り返すとメンバーにも疲労の表情が伺えるようになってきた。
最後の登りだとハッパをかけて登り切った頂上には下見で見た標識が無く、本人も唖然。どうやらもう一つ先のピークと勘違いしてしまったようだ。浪漫会初のピークを間違えたリーダーの誕生の瞬間だ。
次のピークを確認する為に、皆を残しダッシュで向かう。そうだ、ダッシュと言えば思い出す。高速道路渋滞のトンネルの中をダッシュした一人の男がいた事を。今の私は、その時の男より早いだろうか?彼の記録は今も破られてはいないはず。勝てる訳が無い。その時の男は、切羽詰まっていたのだ。
そんな事を思い出しながら、ピークへとたどり着く。頂上の標識を確認して、皆を手招きする。2人が手前のピークで待機し、残りは荷物をデポしてこちらに向かって来た。
実はこの山、1番高いのが手前のピークで、名も無いピークと呼ばれ、本物のピークはそれよりも低く展望もさほど無い。その先には、更に展望は無いが三角点の置かれている剣ヶ峰の3つのピークからなっているのだ。
みんな、ゴメンね。
気を取り直して、奥宮へと戻る。途中、ショウトカット出来る分岐があり、落ち葉たっぷりの道を進む。
奥宮着は、予定時間通り。帰り道も狭いアスファルト道をO氏が巧みに運転する。県道に出て一安心。
天空の湯に向かうのだが、道を間違えてすぐそばに見えるぶどうの丘になかなか辿り着けない。見えるのに行けないもどかしさ。いっそ、この場から温泉めがけて飛び込みたい気持ちである。
そうだ、温泉に飛び込んだ女性を知っている。もちろん、この会でだ。この女性、切羽詰まっての事では無く、温泉の深さを間違えていっきに深みにはまったようだ。そんな事を思い出しながら、ようやく天空の湯に到着だ。
たっぷり時間を取り、甲府盆地を見下ろす露天風呂に癒やされる。
ドタバタ感のあった山行でしたが、終始笑顔と笑い声の絶えない一日となりました。行き帰りのバスでは、O氏が和やかな雰囲気で場を盛り上げてくれました。感謝です。美ヶ原でのイワナ事件は、水に流す事にしました。釣り堀だけに、水に流そう。
お試し山行の小室さん、こんなリーダーの珍道中に付き合わせてしまい、申し訳無く思いますが、これに懲りずにまた参加して下さいね。
さすが、H氏の紹介だけあってとてもいい人ですね。きっと会の仲間も気にいってくれると思います。会計兼カメラマンの斎藤さん、ありがとうございました。
終わり良ければすべて良し、と自分を慰めつつ本年度の山行が無事終了です。四月からの山行もよろしくお願いいたします。
コース記録
箱崎IC 6:30―談合坂SA休憩―勝沼IC8:20―8:30前宮8:40―9:00奥宮9:15―9:35展望台9:45―10:05富士見台分岐10:15―10:45棚横手山11:25―11:50富士見台11:55―12:30甲州高尾山12:50―13:15分岐13:25―13:45奥宮着―14:10天空の湯15:55―18:45都内木場&各所
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