ススキの尾根道を高原漫歩
明神ガ岳 1,169m 2008年10月12日 晴れ
山遊浪漫会の記念すべき初山行は、
黄金色の秋の一日にふさわしく箱根外輪山のひとつ明神ガ岳となった。天狗のお寺として知られる曹洞宗の大雄山最乗寺を登山口とし、下山ルートを宮城野に取る約5時間の行程だ。
午前6時35分までに、小田急線新宿駅の地下5番ホームに集合した7人は一路、急行で新松田へ。下車後、箱根登山バスに乗り換えて終点の関本着。当初はもう一つバスを乗り継ぎ道了尊・最乗寺に向かう予定だったが、バス時刻に少し時間があったため、一日の行程に余裕を持たせることを第一に2台のタクシーに分乗して杉木立の参道を最乗寺境内に駆け上がった。朝9時の境内はひんやりと、参拝客もちらほら。
準備体操の後、早速、山門のひとつをくぐって明神ガ岳の登り口に向かったが、ここで登り始めの前に大きな天狗の赤い高下駄をバックに初集合写真。この天狗の高下駄は一対であることから夫婦和合のシンボルでもあるという。
数組の登山グループに抜かれたり追い越したりしながらピッチをおさえつつ上がるが、登山道は前に来たよりもだいぶ荒れていた。関東ローム層特有の赤茶けた、いかにも滑りそうな土。途中途中、踏み出した足をひとつ置けるかどうかのとても歩きにくい、えぐられた道をたどって歩かざるをえない。雑木林を縫い、林道を2度ほど突っ切り、神明水を過ぎると、視界は開け、左手には遠く相模湾に包み込まれた小田原の市街地が見える。ピンクの赤い実をつけたマユミの木々=写真下左側=が落とす木漏れ日の中をさらに登ると、道の両側には見事なススキの叢が我々を迎えてくれた。ススキの回廊を秋のやわらかな日差しを受けながら歩くのが、今日の山行のメーンテーマでもある。優に身体を超えるススキの大きな穂が右に左にそよぎ、遠目にまるでふんわりとしたビロードの繊毛が舞っているかのようだ。
登り始めて、3時間近く。最後の急登を超えると、標高1,169mの明神ガ岳の山頂だ。山頂からは削り取られたような山肌から煙が上がる大涌谷がよく見える。富士山は雲の中だが、西隣の金時山はおわんのような山容をぽっかりとのぞかせている。それにしても、頂上の人の多さは驚くほどだ。途中、すれ違った人が少なかったことから、別の山頂ルートをたどってきたのだろう。頂上の済んだ空気の中で食べるお弁当の何と美味しいことか。30分後には下山開始。南東に延びる尾根筋は明星ガ岳に達するが、今回は鞍部から宮城野へと降りるコースを取る。途中、ウメバチソウ、トリカブト、マツムシソウなどの花を愛で、時に落差の大きい尾根道をひたすら下りる。昼間でも暗い竹やぶのアーチを通り抜け、急な下り坂を下ること2時間で宮城野の町に出た。
早川沿いの勘太郎の湯で山歩きの汗を流し、一息ついて、とりあえずは生ビール。全員無事で、一日の行程を終えたことに感謝して乾杯だ。帰りは近道を通って強羅の駅に出たが、この近道が山道以上に急坂の石階段の連続で、一杯飲んだ身体にはこたえることこたえること。何とか駅にたどり着いたものの、今度は駅のホームをうずめ尽くすような大勢の行楽客が電車が入線するのを待っているのに出くわした。都心に向かうすし詰め通勤列車さながらの混雑振りで湯元、小田原へと出て、午後8時前、新宿へと帰路に着いた。 (G)
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12日(日) 300m 新宿6:51==8:13新松田8:36==9:00関本/大雄山9:15==9:30道了尊9:40⇒ 小田急急行 箱根登山バス 伊豆箱根バス 650m 780m ⇒9:50最乗寺9:55⇒⇒11:00見晴小屋11:05⇒⇒11:35神明水11:40⇒⇒ 1169m 900m 12:10銀明水12:15⇒⇒13:00明神ヶ岳13:20⇒⇒14:00鞍部14:05⇒⇒ 400m 15:05宮城野支所前⇒⇒15:10勘太郎の湯⇒⇒強羅17:08==18:00小田原18:14=小田急急行 |
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