まぶしい新緑を仰ぎ見、沢の水音に耳を傾けての静寂な山歩き
南天山1483m 2012年5月26日(土)
バスは清澄白河を予定より少し遅れて出発。首都高を経て関越道に入る。特に渋滞に巻き込まれることもなく順調に走り、花園ICを降り一般道へ。途中、時間を稼ぐため有料道路を経由、秩父へと向かう。しかし、目的の鎌倉沢橋への道のりの長いこと。想像以上に時間がかかり、予定よりも30分も遅れてしまった(出来れば、30分早く着きたいところだったのに)。鎌倉沢橋に至る後半の道路は幅員が狭く、しかも最後はダートになり、乗り心地は快適とはほど遠い。なんとか辿り着いたものの、さすがに秩父の秘境だ。
登山口でいつものように準備体操をし、いよいよ登山道を上る。初めは鎌倉沢を見下ろすようにして雑木林の斜面を行く。道は直に沢床に下り、沢の流れを右岸、左岸と丸木橋を交互に渡り、緩やかに登って行く。新緑の沢沿いは涼しい風が吹き抜け、沢の水音を聞きながらの歩行は何とも素晴らしいものであった。歩き始めて20分程で、高さ20m程の末広がりに流れ落ちる法印の滝が目の前に現れた。滝の素晴らしさに見とれしばし休憩を取る。
さらに沢を登ることしばし、沢の水が細り、やがて水流が消え河床が現れはじめた頃、沢コースと尾根コースの分岐に出る。ここは沢コースを取り、さらに上流へと向かう。沢の道が途切れたあたりで道は山の斜面へと続く。いきなりの急登で檜の植林帯の中をジグザグに進む。一気に高度を稼ぎ、30分位登り詰めるとようやく視界が開け、緩やかな尾根道へと辿り着く。稜線からは新緑のカラマツ林の向こうに山並みが望め、ところどころに八潮ツツジの花が見られた。多少のアップダウンを繰り返すうち山頂への取り付きに出る。ここからは岩場が続き、尾根は痩せて左右両側とも切れ落ち、たどる足元には岩屑が多く、滑りやすい。慎重に足を運びようやく山頂にたどり着いた。
山頂は狭かったが先客もなく我がメンバーで独占してしまった。360度の見晴らしは素晴らしく、両神山を始め奥秩父・雲取の山々、遠くは浅間山まで見渡すことが出来た。昼食後は記念の写真を済ませ、早々に下山を開始した。岩場を下り、尾根と沢コースの分岐を今度は尾根コースを下る。道はすぐにジグザグに下ってはいるが、沢コースとは違いしっかりした登山道で歩き易い。樹林帯の中をどんどん下りてゆく(途中、『休ませろ』と言う声を受け、小休憩とする)。
やがて沢が見え、見覚えのある分岐に到着。ここからは登ってきた同じ沢沿いの道を下る。登り始めからかれこれ4時間余。恵まれた天候の中での山行だったが、ここまでの登り降り、登山者らしき人にもほとんど会わず、ほんとうに静かな秘境の山であった。
途中,途中で新緑を仰ぎ見、そして沢の水音に耳を傾けての贅沢な山歩きだ。この素晴らしい沢沿いの道を惜しみつつ、出発点の鎌倉沢橋まで下って行った。予定より1時間以上も遅れてしまい、登山口で待つ岡田さんには迷惑をかけたが、十分山歩きを楽しませてもらった。
この後、道の駅大滝温泉に立ち寄り、汗を流し、久しぶりに美味しいビールを味わった。何人かは真っ赤な顔で帰りのバスに乗り込み、さらには途中アルコールを調達して、下ちゃんの司会で、大いに盛り上がり帰京した。(HS)
コース記録
鎌倉沢橋10:40→11:05法印の滝→11:45沢・尾根コース分岐→13:00山頂取り付き→13:20南天山頂上13:50→14:50沢・尾根分岐→16:00鎌倉沢橋