秋の風情漂う湿原とダイナミックな山頂の大パノラマ

入笠山1955m   2009年9月5日(土)

「花の百名山」に数えられる入笠山は、季節を彩る可憐な花と、入笠湿原は秋色濃く…その一方で山頂からの360度の素晴らしい眺望を楽しむことができる。南アルプスの北端に位置し、眼下には諏訪の市街地を一望におさめて、八ヶ岳や南アルプスの山々が広がる。

標高は2000m近くあるが、1000m余りまで車で上がった後、「流星」と呼ばれる富士見パノラマスキー場のゴンドラを使うと、一気に1750mの山頂駅だ。ゴンドラを下りると目の前は八ヶ岳の山並みが現れ、息をのむほどの大パノラマが展開する。山頂駅を後にし、シカの食害を防ぐためのネットの出入り口を通り抜けると、規模は小さいながら、青々とした山野草が一面を埋め尽くす入笠湿原が待ち受ける=写真右=。湿原を逍遥し、山彦荘の脇を回り込み、さらにマナスル山荘前を通り、入笠山を目指す。山道を上がる途中、「岩場回避コース」と書かれた急坂があるが、頂上までひと汗かくために、距離は短いもののあえて岩場を登りつめる。

ゴンドラの山頂駅から小一時間。早くも絶景の入笠山の山頂に立つことができた。秋の日差しが照りつけ、天気は上々。時折、山裾を上がってくる涼しい風が、とても気持ちがいい。全員で記念撮影をし、青空のもと、お弁当を広げる。ぐるり360度の大パノラマを見ながら食べるお弁当の味は最高だ。至福の時間がゆっくりと過ぎる。

サルオガセが垂れ下がる木々帰りは裏登山道を下り、首切清水で交わる林道を、入笠山を巻き込むようにして、再び入笠湿原へと向かう。途中、「まるでトロロ昆布のようだわ」と誰かが形容した地衣類のサルオガセが木々の幹に長く垂れ下がっている=写真左=。文献によると、このサルオガセは湿り気のある岩や木の幹を好み、這い伝うようにして垂れ下がっているのが特徴で、別にこれが木々を枯らしているのではないという。林道の一角の街路樹が切れると、諏訪の市街地や八ヶ岳の眺望を楽しめるビューポイントだ。

帰路の入笠湿原では、四方に広がる木道の上をゆっくりと散策。まもなく一面に草紅葉と化すだろう湿原を心ゆくまで堪能する。復路のゴンドラでは、ゴンドラの軌道の下の道を疾走するマウンテンバイクの若者を数多く見かけた。下山後、車で5分ほどの「水神の湯」の数種類の露天風呂で汗を流す。日差しはまだ夏のそれだが、吹き抜ける風はすでに秋。高く、蒼く広がる空のもと、入笠山の山並みを後にして、帰京の途についた。(G)


コース記録
6:30 箱崎JCTより首都高経由、中央自動車道・諏訪南IC。国道20号を経て富士見パノラマスキー場駐車場(全員降車、バスはそのまま待機)

ゴンドラ山麓駅==ゴンドラ山頂駅10:35⇒⇒10:50入笠湿原⇒⇒11:25入笠山(お昼)12:00⇒⇒仏平峠/首切清水⇒⇒⇒入笠湿原⇒⇒13:20ゴンドラ山頂駅⇒⇒富士見パノラマ駐車場(全員、待機のバスに乗車)⇒14:00ゆーとろん水神湯15:10 ⇒⇒帰京

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