雄大な独立峰御嶽、ピーク剣ヶ峰への登頂は厳しく、忘れ難く
木曽御嶽山3067m 2013年8月9日(金)〜10日(土)
木曽節で有名な「御嶽山」は富士山・白山・立山と並び古くから霊峰として山岳信仰が盛んな山。今回は長野県側の田ノ原から入り、3067mの剣ヶ峰を踏破して山頂を縦断し、岐阜県側の濁河(にごりご)温泉に下山した。
1日目
新宿駅7:00発スーパー特急あずさ1号の車内に参加者16名の顔ぶれが揃い無事出発。塩尻で中央西線に乗り換え木曽福島駅に到着、駅前でバスの切符を購入して慌ただしく乗車。1時間15分で登山口である田ノ原に到着した。トイレを済ませ、水を補給し、観光センターの前でこれから登る御嶽山を仰ぎ見ながら昼食をとる。
天気は上々下界の暑さは感じられず涼しく快適である。準備体操をしていよいよ登山開始である。まず大きな鳥居をくぐり、山頂に向かう一本道をしばらく歩く。登山道には強い陽射しを遮る物は何もなく、直射日光をまともに浴びてしまい、相当の暑さを覚悟した登山に成りそうである。やがて木組みの階段状の道になり、灌木の中を緩やかに登って行く。岩のごつごつとした道に代わり、少しずつ傾斜もきつくなる。ようやく森林限界に達し視界も開け、今来た登山道や周りの山々を見渡せる所まで来た。ここが金剛童子でお堂や仏像が建っている。順調だったのはここまでで、ここからは延々と続く登りと暑さに体力を消耗し、休んでは歩き休んでは歩きの連続となり、予定の時間をかなりオーバーしてしまった。
9合目近くの一口水に達し、足元も悪く傾斜もきつくなり、さらに3000m近い標高で空気も薄く思った以上に厳しい登りになってしまった。ともかく視界の先にある大滝頂上山荘目指し一歩一歩歩みを進める。やっとのことでたどり着いた頂上山荘目前、直下のお花畑で雷鳥の親子連れ3羽に遭遇、かわいい雛を目の前で見ることが出来、幸運なひと時を得た。
頂上山荘の前を通過して裏手に回ると、灼熱の中、岩のゴロゴロするガレバの先に最高峰の剣ヶ峰が大きく立ちはだかっていた。メンバー全員が頂上まで登れるのかどうか一瞬躊躇したが、とにかく登るしかないとの思いで最後の力を振り絞った。ガレバの道を一歩一歩着実に歩み続けること20分あまり、ようやく御嶽剣ヶ峰山荘に到着、裏手に回り最後の82段の石段を登り切り、やっとの思いで頂上に立つことができた。一気に登れなかった人も、途中遅れたS氏含め15人のメンバーが無事登頂を果たした。
山頂からの眺めは遠く薄雲がかかり、ハッキリとした山容は認められなかったが360度広大な景色を眺めることが出来た。眼下にはエメラルドグリーンの水をたたえた二の池と今日宿泊する二の池小屋が望めた。その後小屋までの下山で足を痛めた人、その介護で遅れた人で全員が小屋に到着したのは5時を過ぎてしまった。
2日目
昨日の夕陽、昨夜の星空、そして今朝のご来光と見た人も見なかった人も5時半の朝食を済ませ、6時半に小屋の前に集合。霧がかかり、ちょっと肌寒くあいにくの天候であるが、元気よく準備体操を済ませ小屋を出発。霧の中を注意深く進む、二の池新館横を通り抜け賽の河原へと入る。ちょっとした平原でいたるところ石積みが見られ、高山植物が咲き乱れる。霧もかかり幻想的な雰囲気の中、三の池乗越へと向かう。道が石のガレバに変わり、摩利支天山の分岐を過ぎると急な岩場の下りとなる。真下に三の池を見ながら慎重にガレバを降りていく。時々霧が晴れて陽射しが射すも、飛騨頂上神社に着くころにはまた霧に覆われてしまい、視界も全く無く一部の人が予定していた継子岳の登頂を諦め、全員一緒に濁川温泉に下山することにした。
下山前に五の池小屋で近くにコマクサの群生地があることを聞き、しばし花の中の散策を楽しんだ。初めは霧中の下山であったが、森林限界を過ぎたあたりで陽射しが戻り気温も上昇し、蒸し暑い中、森林帯を下ることになる。お助け水、覗き岩と通過し高度を下げようやく中間点の湯ノ花峠に到着、ここでゆっくり昼食をとることにした。濁川温泉まで75分の標識で元気を取り戻し、ふたたび下山開始、途中沢沿いの道となり沢の音を聞きながらの下山となる。暫くして仙人の滝の標識に出会い、5名が滝を目指し、その他メンバーは一路濁河温泉へ向かう。滝見の一向は素晴らしい滝を堪能し、その後メンバーとは濁河温泉の市営露天風呂で再会を果たした。この温泉、事前の調査ではアルコール飲料なしということであったが、実際にはあるカラクリによって飲むことが出来た。バスの出発まで2時間あまり十分アルコールを堪能できた。
濁川温泉からはマイクロバスで木曽福島まで向かい、中央西線で塩尻へ、塩尻で途中下車して一杯やって特急あずさで新宿へ向かう。列車の事故で一時間ばかり遅れたものの10時過ぎには全員無事新宿へと帰還した。
最後に反省。大滝頂上から剣ヶ峰までの最後の登頂が、強行軍になってしまった。大滝頂上で十分に休憩を取っていればもっと余裕のある登山ができたかもしれない。メンバーが16人ともなれば、全員の個々の体調を把握するのは難しいと思う。休憩に関して、体調に関してリーダーに適切なアドバイスがあれば良かったと思った。(H.S)
コース記録
1日目
新宿駅発7:00―9:30塩尻10:03―10:30木曽福島10:40―11:55田ノ原12:30―13:30金剛童子―14:20富士見石―14:45一口水―15:30大滝頂上山荘―16:00剣ヶ峰山頂16:20−16:35二の池小屋
2日目
二の池小屋6:30―7:50摩利支天分岐―8:20五の池小屋9:10―9:40お助け水―10:05覗き岩―10:30湯の花峠11:00―12:15濁河温泉(立ち寄り湯)15:20―16:50木曽福島17:25―17:52塩尻19:25―22:00新宿到着後解散
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