目に鮮やかな、錦に染まる峡谷
龍王峡 2008年11月16日 小雨
小雨の中、終日、紅葉に染まりなが
らの散策となった。
紅葉前線はまだ足踏みしていてくれるだろうか? そんな思いで、東京からバスで3時間余。行ってみれば、紅葉のメッカとして知られる栃木・龍王峡は、錦をまとった峡谷沿いの木々が私たちの目を十分に堪能させてくれた。
いつもならこの時期、たくさんの紅葉お目当ての観光客でいっぱいになるところだが、雨模様となったことで、訪れる人が少なかったかもしれない。鬼怒川・川治の守護神五龍王を祀る神社が鎮座する東武線龍王駅から午前9時半歩き出す。土産物屋が軒を連ねる駅周辺を抜けると、すぐに峡谷の見事なパノラマが次から次へと展開する。
滝のしぶきが日の光を受けてきらきらとさんざめき、虹のようにアーチをかける虹見の滝には、すでに観光客が歓声を上げていた。紅葉に染まる峡谷が四囲をぐるりと囲み=写真=、さらに河原まで降りてみると、屹立する絶壁が素晴らしい。コバルトブルーの水面、崖におりかかる緑、黄色、紅色の木々、向こうにはシャープな虹見橋のアーチが見える。
雨具での峡谷歩き。濡れた石や木道に足を滑らせないよう、ゆっくりと歩を進める。龍王峡随一といわれるむささび橋からの眺めは、やはり秀逸だ。橋のこっちを見ても、向こうを見ても、雨にけぶった崖の山肌を錦が駆け上がり、駆け下り、みごとな峡谷美に飽きることがない。
河原沿いに目を落とすと、火山岩が堆積した岩で作られた自然の芸術、五光岩、兎(と)はね、かめ穴などが見るからに面白い。いずれも川の流れが歳月かけて侵食した結果だ。兎はねは川幅が4mほどで「ウサギでも渡れる」ということから名づけられた。かめ穴は、まるで亀の穴のようだ。
雨に打たれた道々の紅葉は、情緒深い。中には、黄葉の木々の上に、真っ赤に染まった紅葉の葉が折り重なるように落ちている。黄葉の上に紅葉が貼り付く。濡れた黄葉と紅葉はぴったりと重なり、日の光を浴びて、まるで錦の透かし模様のようだ。
白岩で峡谷の紅葉を見ながらお昼を食べ、さらにしばらく歩く。雨は小雨ながらシトシトと降り続ける。川治の発電所の脇を通り、浜子橋を渡り、しばらく行くとトンネルだ。ひとつ、ふたつ…と、トンネルを抜けて小網大橋に到着する。歩き始めて3時間。小網ダムで待機していたバスに迎えにきてもらう。
天気がよければ五十里ダム、川治ダムと二つのダムを一望できるダムダム見晴台に足を伸ばす予定だったが、見事な紅葉を見たことで、この予定をカット。川治温泉の明月苑で立ち寄り湯。汗を流した後、帰京することにした。バスの車内は笑い声が尽きることがなく、予定より3時間ほど早く帰京。曳舟で全員が下車して、さらに打ち上げとなった。(G)
6:30過ぎ 箱崎JCTより東北道へ。矢板ICをおりて、R461→R121で川治温泉・龍王峡方面へ。9:20東武線龍王峡駅着。(バスは移動し、R121の小網ダム近くで待機)
龍王峡駅9:30⇒虹見の滝⇒10:30むささび大橋⇒10:50兎はね⇒11:05白岩(昼食)11:25⇒12:05浜子橋⇒12:30三つ岩トンネル(バス乗車)→12:45川治温泉・明月苑14:15⇒帰京へ 18:00過ぎ曳舟
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