晩秋の山頂で鍋を囲み、富士の峰を仰ぐ
シダンゴ山758m 2009年11月15日(日)
雨のため一日順延しての鍋パ山行は、天候に恵まれた素晴らしい山行となった。
いつものように清澄白河を出発したバスは清洲橋を通り、箱崎インターから首都高、東名高速と乗り継ぎ、大井松田インターへ。途中の車中からは7合目ほどから冠雪の富士山がよく見えた。丹沢路の南端に位置する秋深まるシダンゴ山の登山口は高速から降りて20分ほど。11人を乗せたバスは極めて順調にスイスイと走った。
寄(やどりき)自然休養村管理センターわきの駐車場に、午前8時30分に到着。軽い準備体操をして出発だ。大寺橋の欄干の中ほどの鉄柵をたたいて鳴らしていくと、「お馬の親子」のメロディがかなでられる仕組みだが、今ひとつうまく音程が整わない。
歩き始めの30分ほどは、住宅地の車道の急こう配をひたすら上がっていく。途中の茶畑や柿の木の間を縫って、イノシシ防護策をくぐりぬけると、ようやく山道に入る。杉林の暗い樹林の中をしばらく登り詰めると水場に出る。ここからは、20分ほどで山頂だが、なかなかきつい。向こうに明るい空が見える。山頂がもうすぐだ。歩き始めから1時間20分。開けた頂上のエリアに出る。まだ10時前とあって、昼食の用意を始めている登山者はいない。
早速、鍋の準備開始。戦闘開始だ。初めは山頂の広場で店を広げたものの、どうも風が強い。時折、突風が吹き、鍋の煮炊きをするには具合が悪い。そこで、山頂から少しわきのアセビの木々の合間に入り、ここをランチ会場に定める。
用意してきたうどんは2種類。カレーうどんと醤油仕立てだ。鍋とコッフェルを使い分け、各自からポットの湯の供出を受け、それぞれのうどんをテキパキと煮込んでいく。これに斜め切りのネギ、ブナシメジなどを入れ、ぐつぐつ煮込む。さらにトッピングとして、美味しいチャーシューや小松菜、差し入れのゆで玉子などをのせる。待ちきれないほどだ。醤油仕立てのコッフェルの方も順調に出来上がっていく。なると巻をのせ、刻みネギを入れ、フーフーしながら食べる。食べる方に気を取られて、周囲の景色を見るのも忘れる。気がついて目を転じると、片方が林に隠れた、「片富士」の富士の峰が、晩秋の大空にくっきりと、すそ野を広げている。
鍋を囲んで1時間ほど。みごとに完食だ=写真=。食事の後は、コーヒータイム。そして、山頂の標識を囲んでの記念写真を撮影し、宮地山方向に下山にかかる。下山の道は、落ち葉が敷き詰められた秋ならではの山路だ。かさこそ、かさこそと木々の間を縫って里に向かって降りていく。秋の山道歩きは夏のアルプスとは違った山の楽しさ、良さがある。だから、山はいい。季節それぞれに楽しさがある。周囲を見渡すと、早いのか遅いのか、さまざまな錦をまとった木々が左右に展開する。
山頂から1時間歩くと、登り口と同じようなイノシシ防護柵が出てくる。ここを抜けると、里の集落はもうすぐそこだ。茶畑の間や柿の木々、ススキの山道を過ぎ、朝の寄自然休養村管理センターに戻る。
待機のバスに乗車し、車で5分ほどの近くの「せせらぎ山荘」で日帰りの湯につかる。
帰りのバス車内はいつものごとく。山あり、仲間あり、楽しい一日を実感して、それぞれ家路についた。(G)
コース記録
箱崎6:30==東名道路・大井松田IC==8:30寄自然休養村管理センター⇒⇒大寺橋⇒⇒9:50シダンゴ山11:40⇒⇒宮地山分岐⇒⇒13:05寄自然休養村管理センター⇒⇒13:15せせらぎ山荘14:25⇒⇒17:00ごろ帰京
トップページに戻る