晩秋の奥多摩で、楽しい「鍋パ」

高水三山(高水山759m、岩茸石山793m、惣岳山756m)  20081129日  晴れ


晩秋の一日、奥多摩高水三山に登りさあ、待望のお鍋だ、お鍋だ!!
、主峰・岩茸石山で鍋を囲んだ。浪漫会初めての記念すべき山頂鍋パーティだ。なごやかに、そしてあくまでつつましく、控えめながらも、皆さんの箸の勢いはとどまることを知らず、お鍋の底まで食べつくすほどの小1時間のバトルが繰り広げられた。

 深い秋のたたずまいがここかしこに感じられる青梅線・軍畑(いくさばた)の駅頭を降り立った9人の善男善女は、奥多摩ハイキングのメッカ・高水三山を目指して、まずは高源寺へと歩き始めた。途中の里道では、たわわに実ったゆずの木や熟柿、干し大根のすだれなどが目を楽しませてくれる

 前日まで降った雨のためか、粘土質の山道は滑りやすい。錯節する木の根っこもそれに輪をかけてツルツルと要注意だ。樹林の中を高度を稼ぐこと、登山口から1時間余、開けた稜線に出ると、ほどなくじゅうたんを敷き詰めたような落葉の回廊が我々を迎えてくれた。この落葉の山道こそ晩秋の山歩きの醍醐味だ。足に優しく、周辺の景色とのマッチングがとても穏やかな雰囲気をかもし出す。この回廊を抜けたあたりに、常福院の堂宇が紅葉の木々の間に見えてくる。

 小春日和の柔らかな晩秋、初冬の日差しが木漏れ日となって足元に落ち、見上げた青空には奥多摩の山並みが広がっている。気持ちのいい山の景色だ。

 高水山からのしばらくの急登を、じっと我慢して登りつめると、高水三山で最も高い標高793mの岩茸石山の山頂に着く。本日待望の「鍋パ」の宴席でもある。山頂は細長く広がり、北には棒の折山をはじめとする奥多摩連山がそびえる。もう少し天気がよければ八ヶ岳や日光連山も見えるはずだ。先行するグループ、家族連れ、カップルがすでにあちこちにい、またどこの団体だろうか、軍畑の駅から一緒だった多人数の一行も上がってくる。

 早速、お鍋パーティーのご開帳だ。浪漫会の女性陣、きわめて手際よい。キムチスープの素を2パック入れ、ぐつぐつ煮立ったのを見計らって肉やら、ねぎ、きのこ類やら適量を入れる。お鍋の周りの男性陣は、煮立つのが待ちきれないようにして、箸と食器を持ってじっとお鍋の行く末をひたすら見守る。

鍋奉行からようやくOKが出るやいなや、順番に鍋の中に箸を入れ、「これはおいしい」「ウン、うまいッ」と自分に言い聞かせるようにして平らげていく。さらに煮立ったところで薄切りモチやうどん、そしてラーメンの登場だ。ああだこうだ、ひとしきり騒ぎ立てかまびすしいが、皆の口に行き渡った数秒間は、直前までの喧騒が一転、うそのような静寂が訪れる。口にものが入っているときは、なるほど黙るしかない。皆、鍋の美味に相槌を打ちながら、四方八方から箸が出てくる。お鍋に一息つくと、あたりの景色を見る余裕が出てくるようだ。風に吹かれた木の葉が、空高く舞い上がったかと思うと、谷に向かって旋回するように舞って落ちていく。まさに落ち葉が奏でるコンチェルトが聞こえるかのような至福のひと時だ。優雅な山頂の光景だ。やや雲があるものの、みごとな奥多摩の眺望が広がっている。

 頂上には多くのグループがいるが、本格的な鍋を持ち込んだのは、我々のグループだけ。我々の横を通り過ぎるときには、「あッ、美味しそう」「いいなーッ」と声を上げて通り過ぎ、羨望のまなざしを向けていく。

 ようやく昼食の鍋パに一段落し、コーヒータイム。その後、皆で集合写真におさまったあと、ちょっと食べ過ぎたおなかに注意しながら下山に入った。頂上直下の急坂を下り、惣岳山は山頂をパスしてまき道を行き、しばらくすると左手にあたり一面ススキの原っぱが現れた。ほどなくすると、沢井駅方面と御嶽駅方面への道が分岐する十字路が出てくる。ここからが長い。鉄塔の下をくぐり、急坂をいくつか越えて、ほぼ予定通り、午後320分に御岳駅に到着した。

 車内で簡単にビールで乾杯し、各自の安全登頂をねぎらう。下山時間が早いこともあり、期せずして例の都内某所に集まることに衆議一決、改めての乾杯を行った。(G)

コース記録

新宿7:44=(中央線ホリデー特快おくたま1号)=8:42青梅8:56=(青梅線・奥多摩行きに乗り換え)=9:12軍畑(いくさばた)

軍畑駅9:25⇒10:00登山口⇒11:10高水山⇒11:35岩茸石山/昼食13:20⇒15:20御嶽駅15:41=(中央線ホリデー特快おくたま2号)=16:57新宿駅

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