昔話「カチカチ山」の舞台訪ね、遊覧船から雄大な富士山望む
天上山 1,140m 2023年7月26日(水)
夏の首都圏の低山は、どこも暑い。そこで、少しでも涼が取れればと河口湖畔の天上山に向かった。しかし、「天国」を彷彿とさせるネーミングの山名、そして湖畔からロープウェイ使用可能な楽ちん登山、「富士山の眺望ど真ん中」という、外国人好みの設定満載のため、山にも海(湖)にも外国人観光客が溢れていた。
新宿南口のバスターミナル「新宿バスタ」に集合。午前7時35分、快晴の天候のもと、我ら9人を乗せた富士急の高速バスは新宿を後にし、一路中央道を疾駆した。バスは午前9時半には富士急河口湖駅に到着した。ほぼ定刻。体感では都内よりちょっぴり涼しい。現地合流組2人はもう着いているだろうか。天上山こと「カチカチ山」で合流する手はずだ。
駅から住宅街を少し歩き、富士山が真っ正面に見える道路脇で軽いストレッチを行い身体をほぐす。まず目指すは天上山護国神社の境内、そしてすぐに紫陽花ロードが始まる。ここの紫陽花は地元の人が手入れしていて、8月まで、登山者の目を楽しませてくれる、紫陽花の道を縫うように木段が作られ、適度な足の運びを確保してくれ歩きやすい。
富士山は天上山の南側に位置するが、樹林にさえぎられて、ナカバ平までしばらくおあずけだ。出発から30分ほどして、そのナカバ平に到着した。紫陽花群があちこちにあり、太宰治の文学碑やベンチが置かれ、富士山を望む、格好の休憩ビューポイントだ。
水分補給やら塩和菓子のおやつなどで、猛暑の対策を取る。これまでのところ、道の両側の樹林が日差し除けになってくれていて、時折涼風も吹き抜け、高原散歩気分だ。河口湖町越えに富士山の雄姿も見える。冬の富士山は大気が澄み渡り、きりりとした印象を受けるが、夏の富士山は、温かい大気のせいか、やや輪郭がぼんやりとして見える。
やがて、湖畔から伸びているロープウェイの喧噪が聞こえてくる。ロープウェイは湖畔駅から展望台直下にある富士見台駅まで250mの標高差を約3分で駆け上る。河口湖畔の景色を抱え込むような眺望は「富士山パノラマロープウェイ」の名のごとくだが、昔話の舞台の名前をとって別名「カチカチ山ロープウェイ」とも呼ばれる。
蛇行しながらゆっくりと登ると、展望台まで絶え間なくロープウェイの軌道音や出発の合図やらの音が聞こえてくる。一息入れた後、展望台を目指す。ナカバ平を過ぎて、やや傾斜が急になるが、さほどではない。途中途中こまめに休憩を入れ、冗談を言い合いながら登っていく。
携帯電話に着信音あり。案の定、ロープウェイ組から展望台到着の連絡だ。こちらも、あと15分ほどで到着できそうだ。ほどなくして、人声が聞こえ、ロープウェイの音が一段と大きくなると、左手にロープウェイの富士見平駅が見えてくる。樹林の合間からも、たくさんの人が乗っているのが良く分かる。
展望台に到着すると、何と人の多いことか。それも外国人が多い。ロープウェイを使って観光気分で登ってきて、河口湖や富士山の眺望を楽しむ。昔話「カチカチ山」の舞台とあって、老夫婦をだますいじわるタヌキ、それを懲らしめるウサギの張りぼてやらが置かれ、外国人観光客も興味深く見ている。
お昼にはちょうどいい頃合いだ。ロープウェイ組と合流後、全員で、山頂方向の木陰でお昼を摂ることにする。昼食後、15分ほど歩き、小御嶽神社がある天上山の山頂まで足を伸ばし記念撮影とする。
ひと息入れて、さあ下山だ。ロープウェイ組とは分かれ、我々も1時間で湖畔まで下る。山の次は海ということで、本日はおまけのコースとしての、河口湖畔遊覧船を楽しむことにする。ちょうど次の遊覧船の出発時間午後1時に間に合う。ナイスタイミング。
遊覧船は戦国時代に甲斐武田軍に属していた「水軍」の安宅船がモチーフで、その名も「天晴(あっぱれ)」。見事な富士山の眺めを期待しての命名か。武田軍の紋所「武田菱」や甲冑「赤備え」をアクセントに、船体は華やかさと勇ましさを兼ね備えたデザインとなっている。展望デッキからは、遮るものがない雄大な富士山が裾野を広げているのが見える。天気次第では湖面に「逆さ富士」が見えるとのことだが、残念ながら、この日は見えない。
我々一行は、他の外国人観光客に混じり、日差したっぷりサンサンの展望デッキに陣取ったり、屋内から湖面を眺めたりと思い思いに過ごす。河口湖は富士五湖の中では山中湖に続いて大きく、富士山を背景にモーターボートが湖面を行ったり来たり、夏の河口湖畔の風景が展開されている。暫くぶりに遊覧船に登山の後、ひと息入れながら、波打つ湖面を眺めるのは至福のひと時。湖面を渡る風に身も心も癒やされた。
帰りの高速バスは、残念ながら中央道で二つの事故渋滞にあい、猛暑の東京への到着は1時間強の遅れとなったが、とにもかくにも山と海(湖)を満喫した一日となった。
(G)
<参加者のひと言>
★ネットでは河口湖は異国みたいだと言っていたが、半分くらいは日本人でした。山道は樹林帯で助かりました。やはり、今年の夏は特別暑い!バスに乗る前に飲んだビールは美味しかったなぁ。
(アンビ)
★梅雨も明け、朝から真夏の太陽が照り付ける中、河口湖駅を出発したときは苦行の一日になるかと思われました。幸い登山道は木々に覆われており、急登もなく、アジサイの花や羽化したばかりのセミにも出会えて、それなりに汗はかきましたが気持ち良い山行でした。また、河口湖の遊覧船も初めて乗船しました。
(白毛門)
★東京が猛暑(37度超え)のおり、河口湖も例外なく暑く、陽射しも強かった。
しかし、森の中に入ると涼しく快適に山歩きすることが出来ました。
紫陽花もまだきれいに咲き乱れ、ツリガネニンジンの仲間のソバナの青い花も見ること が出来ました。
下山後は河口湖の遊覧船に乗船、湖上の爽やかな風を20分堪能できました(ナイスアイデア )。大野リーダー、皆さんありがとうございました。
(W)
★朝から刺すような日射しで、どんな1日になるやら気の重い外出だったが、護国神社からは待望の鬱蒼とした木陰に迎え入れられ、参道にはサングラスをかけたままでは拝めない、青色鮮やかなアジサイで埋められていた。
途中で出会う「富士山」も終日てっぺんに雲を蓄えたままだったが、実に雄大だ。
また、下山中にもドウダンツツジとおぼしき低木で山道の両側をかためられており、花の時期には提灯行列の趣ではと想像した。
快適な山道を抜けて下り立った湖畔は、おそらく昼過ぎの気温最高値を記録した時間帯。
カチカチヤマ山道での爽やかな汗から一変して、汗がどっと吹き出し、汗まみれ、ザックを放り投げたい気分だった。
時間調整と気分一新を図り、遊覧船に乗る。隣に乗り合わせたヨチヨチ歩き、クリクリお目目の紳士と世代を超えて船上外交を成立させた。
それにしても外国人が多い。訪問外国人数の比率通りの縮図がここに見えた。「フジヤマ」の引力が、声高な会話を楽しむ彼の国の人から、ナイーブな所作のあの国の人まで、さまざまな人々を呼び寄せている。
なんと、上りですれ違った軽装の壮年男性に『こんにちは』の山挨拶をすると。『なんだ、日本人か?』との声が返ってきた。
(ヤマジジイ)
★大野リーダーいろいろ配慮頂きありがとうございました。富士山の真正面で準備体操最高‼️
下りはロープウェイで湖畔はここは外国?
日本人がいない久しぶりの気分転換楽しかったでーす。ありがとうございました。
(M.H)
★富士山の山頂は雲で覆われていましたが、とても素敵なシルエットを見せてくれました。外国人の観光客が多いのも当然だと思います。 河口湖で遊覧船に乗り、湖から見た富士山もまた雄大ですばらしかったです。ただ、暑かった!
素敵な計画ありがとうございます。リーダー。他のみなさんありがとうございます。
(M.K)
★朝 6時過ぎに家を出る時からいつもより暑い。新宿駅、高速バスと涼しい中を河口湖に到着。思っていたよりも陽射しは強いけど風があり歩きやすい。しばらくは日陰を探しながらの歩きでしたが木々の中を吹き抜ける風は涼し~い。
蝉の抜け殻がありその上に羽化したばかりの蝉が止まっているのを見ながらの歩きは 遠い遠い昔の中学時代の夏休みを思いだします。遊覧船の上の方は座ったらお尻が火傷しそうなくらいに熱い。いつもはお尻に曳くシートを頭にほっかぶりし富士山の景色に見とれていました。おしゃべりタイムのコーヒーは美味しかったです。帰り着いた新宿駅の暑さ…天上山は 涼しかったんだと改めて思いました。みなさん お世話になりました。ありがとうございました。
(Y.S)
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コース記録
新宿バスタ(BT)7:35=(高速バス)=9:20河口湖駅
河口湖駅10:00 … 10:15天上山護国神社 … 10:30ナカバ平…11:05ロープウェイ富士見台/展望台 … 11:40天上山 … 12:20ナカバ平 … 12:50護国神社 … 12:40河口湖畔 13:00(遊覧船「天晴」)13:30
…河口湖駅15:40(高速バス)=18:40新宿(解散)