北ア三大急登の合戦尾根、悪戦苦闘の連続で11年の歳月を痛感
燕岳 2,763m 2023年8月6日(日)~8日(火)
燕岳は標高2,763mの山で、花崗岩でできた独特の山容を持った美しい山である。山頂周辺には高山植物の女王コマクサの群生やライチョウが生息するハイマツ帯があり、北アルプスの入門コースとして多くの登山者が訪れる。11年前、同じコースで燕岳に登っている。
1日目は新宿駅午前11時のあずさ号で遅めの出発、松本駅で大糸線の各駅停車に乗り換えて穂高駅まで向かう。松本駅からは学生の登山グループが乗車してきてかなりの混雑ぶり。待ちに待った北アルプス夏山登山で若者たちも皆楽しそうにしていた。穂高駅からは定期便の乗合タクシーに乗り継ぎ50分程で中房温泉の有明壮に到着、源泉かけ流しの温泉とビール、豪華な夕食が待っていて、休養も十分。明日からの登山に備えた。
2日目は有明荘を7時に出発、舗装道路を20分程歩いて登山口に到着、ここから標高差1300mの合戦尾根をひたすら登る。登山道には第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチ、合戦小屋と休憩地が適度に設けられており、燕山荘までの道のりが分かり易くなっている。森林限界の尾根までは、ほぼ林間地なので直射日光に当たることなく登ることが出来た。しかし、この先の登山道はかなり急なところもあり、至る所が階段状の道になっており非常に苦戦を強いられた。合戦小屋では早めの昼食を取り、楽しみにしていたスイカも食した。やや予定をオーバーしたが13:00には燕山荘に到着、山小屋で一休みして燕岳山頂を目指した。周りは霧に覆われていて、期待していた山頂からの景色は何も見ることができなかった。
3日目は早朝から小屋の周りは霧が立ち込めていた。朝食後は予定通り7時に出発することに決め、霧が晴れるのを期待して待った。暫くして霧が少しずつ薄くなり、足元には雲海が広がり燕岳の山容が姿を現し始め、槍ヶ岳の全貌も見え隠れしだし、山小屋の前からはブロッケン現象(*)も見られた。やがてほぼ霧が晴れて北アルプスの全容が眼前に広がった。各自思い思いの風景をカメラに収め出発まで十分に景色を堪能して燕山荘を後にした。
下りは有明荘の日帰り入浴が無料になるので、昼食もそこで取ることにして下山開始。下り一辺倒になるが、十分に注意してゆっくり行けば12時までには楽に到着できると思い下り始めたが、合戦小屋を過ぎた辺りから昨日の疲れのせいかペースが落ち、それでも何とか12:30に漸く有明荘に到着。温泉で二日分の汗を流し、反省会を兼ねた昼食を済ませた。2時過ぎの乗合タクシーで穂高駅まで行き、16時発のあずさ号で帰京の途についた。
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*ブロッケン現象 霧がたちこめるような高山で、日の出や日没時に太陽を背にして立つと、 |
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<参加者のひと言>
★午前7時から登山開始、コースの予定時間通りの時間で合戦小屋で昼食、パンのお弁当を食べました。
燕山荘まで登り、山頂は白くガスが出ていましたが、雨が降っていなかったので頂上に登りました。今回の目標は達成できました。翌日は雲が切れたのでまわりの景色が見ることができて良かったです。
リーダーありがとうございました。
(S.A)
★1. 比較的大きい空間で
来光を期待して4:30ごろ外にでる。視界は悪く、天上に、月がわずかに覗くだけで、まったく、がっかりした。
だが、朝食後、朝日があたりはじめた。雲は流され、1kmさきの燕岳山頂が見え、反対方向に槍ヶ岳、さらに、遠く離れ富士山が雲海の上に 台形の頭を見せている。
視界はこののち回復することなく、下山した。
この感動の、ラッキーと言える瞬間を喜び感謝しようと思う。
(K)
★もうすでに日常化してしまった「熱中症警戒アラート」やら迷走台風の影響が心配だったのだが、さすがに登山口からの大木の木陰に潜り込めばそこは別世界。久しぶりの歩き応えのありそうなコースにワクワクしていた。
高度を稼ぎ、汗だくになるころに、休み場と言うほどでもないがつづら折りの部分に立つと、谷間から霧を湛えた涼風が吹き上る。何よりのご褒美だ。
追い抜かれ、さらには我々が登りに悪戦苦闘する間に折り返して来た若き外人女性のブロンドのポニーテールとお尻。すれ違いざまの飛びきりのスマイルも忘れ難いシーンとなった。
もう1つご褒美。主人公を驚かせまいとして見知らぬ他人が送る(無言の)目配せに気付いた事だが、翌朝の燕山荘には、雷鳥の親子が散歩に訪れて、母親はミニイルカ岩の舞台上に立ち、誰にもシャッターチャンスを分け隔てなく与えるという堂々の大見得を切り、子は愛想を振り撒き三昧。こいつぁ、ご褒美、ご褒美。
山荘直下のお花畑に見送られ、開始した下山。あの外人女性のようにはいかず、皆が過去のダメージを抱えており、疲労困憊、やっとこさの下山となった。「お尻の反撃」だろうか?
登りは『よいしょ』『こらしょ』でなんとかなったが、下りに、も少し余裕を持たせて次回は反転攻勢としよう。
(ヤマジジイ)
★燕岳山頂からの眺望が無く残念でしたが、翌朝「イルカ岩」付近から北アルプスの素晴らしい山並みが得られ、満足な山行となりました。合戦小屋でのスイカも11年前と同様、美味しかった。標高差1,300mの登山はすれ違い待ちが少なかったためか、足への負担が大きかったようです。今日は太ももやふくらはぎが筋肉痛で歩行困難な状態です。
(白毛門)
★登山口を登り始めて間もなく小さな男の子を背負って大急ぎで降りてくる救助隊に遭遇する。岩と木の根っこの1300mの急登は半端じゃない。こまめに小休止を取り、水分補給をするが、歩き始めると汗が吹き出し全身が直ぐにビショビショになる。合戦小屋での大休止で食べた名物のスイカがなんとうまかったことか。合戦小屋から上はお花畑の道が稜線まで続く。ウサギギクの大きな黄色の花、紅紫色のかわいい花のハクサンフウロ、ゴゼンタチバナの白い花、ミヤマキンポウゲの黄色の 花の群落などの高山植物が疲れを癒してくれる。いつも出掛ける前に図鑑などで調べてくるのだが何の花か分からず結局は「高嶺何とか草」になってしまう。ようやく13時に燕山荘に到着するがガスの中で北アルプスの女王と呼ばれる燕岳はみえない。小屋で少し休んでから空身で山頂に向かう。白いシルエットの大岩とコマクサのお花畑と緑のハイマツ続く白い砂礫の登山道を進むと2763mの燕岳に着く。狭い山頂は何も見えず高校登山部の若人達と我々6人でいっぱいになる。記念写真を撮り、直ぐに下る。翌日の朝は奇跡的に快晴になり雲海の向こうに槍ヶ岳、穂高などの峰々の大パノラマが見えた。しかし昨今は年波が打ち寄せてきて、もう勝てそうもないので、筋肉痛の夏は今年が最後になりそうだ。
(手拍子足拍子)
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コース記録
1日目
新宿駅11:00→あずさ17号→13:35松本駅14:09→1:38穂高駅14:09→乗合タクシー→15:11中房温泉有明荘
2日目
有明壮6:55→中房温泉登山口7:15→8:00第一ベンチ8:15→8:50第二ベンチ9:00→9:25第三ベンチ9:35→10:15富士見ベンチ10:30→11:00合戦小屋→11:40→13:00燕山荘 燕山荘14:20→15:00燕岳山頂15:20→15:45燕山荘
3日目
燕山荘6:55→7:48合戦小屋8:00→8:20富士見ベンチ8:30→9:00第三ベンチ9:10→9:50第二ベンチ→10:00→12:00中房温泉登山口12:05→12:30有明荘14:18→乗合タクシー→13:00穂高駅14:00→あずさ46号→19:08新宿駅到着・解散