秋晴れの一日、普通列車の旅と滝を堪能、手強かった低山で汗流す
日本3大名瀑のひとつである「袋田の滝」観賞とその南方にそびえる「にっぽん百低山」で紹介された月居山を登った。
上野駅と北千住駅でメンバー全員が揃い、一路水戸駅を目指す。本日乗車した常磐線快速電車は15両編成で前5両が途中の土浦駅で切り離され、グリーン車(4・5号車)の前後の車両は比較的混みあうことが多いので7号車に乗車する。水戸駅で水郡線に乗換え袋田駅へ。乗車した車両は普通ボックスシートが2列のところ片側が1列だった。久慈川の清流を車窓から楽しむためだろうか。
水郡線内では主要な駅以外はSuicaなどの交通系ICカードが使えないため、車掌が2名体制で切符を持っていない乗客の車内精算や停車駅での精算などを行っていた。無人駅や券売機の設置のない駅が多いためのようだ。我々が下りた袋田駅でも車掌がきっぷの回収や精算などに追われていた。などなど、列車の旅を暇にまかせて観察しているうちにようやく上野駅からの2時間30分の旅も終わり、バスに乗り継ぎ終点の滝本で袋田の地に降り立った。
滝入口まで並行して流れる滝川の清流の水面が時折り光る。よく見ると小さな魚の群れが泳いでいた。おそらく鮎なのだろう。袋田の滝に続くトンネル内は鮮やかな照明に彩られ、また、「恋人の聖地」も赤いブランコといっそう派手になっており、撮影に躊躇する一幕もあった。
ほどなく正面が開け、滝が目の前に現れた。第1観爆台だ。圧倒的な迫力に思わずシャッターを切ったが、近すぎて滝の全貌が収まらない。また、4度の滝の由来の一つに4段に落下するとあるが、3段しか見えない。エレベータで第2観爆台へ向かう。第2観爆台は上下3ヶ所から滝を眺められ、周辺の少し色付き始めた木々も一緒に観賞でき、なかなか趣があった。最後のポイントの吊り橋でようやく最下段にある滝を見ることができた。
吊り橋を渡るとすぐに鉄製の急な階段が目の前に。下から見上げると延々と続いているようだ。メンバーに確認、ここまで観光だけだったこともあるのでやる気満々(?)なようだ。まあ休憩を多めにとれば大丈夫と判断して、登りがいのある体力勝負のコースに舵を切ることにした。逆コースだと、疲れきった最後にここを下ることになるのでそれもまた心配だった。
各自、充分にストレッチを行い、階段を上り始める。実はこの鉄製の階段は約200段、その後、月居山前山(ピーク)まで延々と石の階段が続き、トータルで1000段ほどある。緩やかな場所もあるが、ほとんど階段なのでかなり体力を消耗する。倒木の為、途中にある生瀬滝展望台はパスした。我々より先行してスタートした若者4人組が下りてきた。手ぶらで服装や靴など山をなめているような格好ではあったが、それほど疲れていない様子だった。やはり若さには敵わないと思った。
時間も押していたので、前山手前の見晴らしの良い岩稜スペースで昼食にした。正面に生瀬富士、遠くには那須連山や、高原山(釈迦ヶ岳)とおぼしき山々が望めた。前山からやっと登った頂を急な階段で下り、月俺観音堂へ、「この付近ハチに注意」の張り紙があったので早々に通過。直下の鐘つき堂では鐘を鳴らすハイカーがいるようで、ときおり「ゴーン」と鐘の音が聞こえてくる。月居山への登りでは大きな岩をロープを使って通過する箇所もあった。
頂上は広々としているが見晴らしもなく「月居城跡」の記念碑がある程度でちょっと期待外れだった。最上部には何故か三角点があった。下山ルートはアップダウンもなく、森林の中をだらだら下る歩き易い道だ。40分ほどで滝見橋に着いてしまった。バスの時間まで近くのお店でミニお疲れさん会。袋田駅に戻ったとき急に雨が降り出した(ラッキー)。帰りの水郡線の車窓からは夕日が沈むころ、反対側の景色が黄金色に輝き幻想的な風景が広がった。気が付けば水戸駅。常磐線に乗換えて、松戸、北千住、日暮里などで乗り換え、家路へ。
秋晴れのなか、「袋田の滝」観光を楽しんでいただけたかと思います。「高い山だけが尊からず」とも言われているように低山にもそれなりの魅力があり、今回は延々と続く階段登りの醍醐味も充分に味わっていただけた(?)とも思っています。何はともあれ最後まで話し声が絶えなかった一日でした。本当にお疲れさまでした。今後も、易しいだけではなくちょっとだけ登りがいのある登山も検討しようと思っています。
(SS)
<参加者のひと言>
★涼しい風が吹く山道を、どこまでも続く階段を黙々と歩くも、なかなか先が見えて来ない。ふくらはぎ、太ももも何回もバッツパッツになり、リュクサックを持ってもらいました。緑が綺麗で、野鳥の鳴き声も聞こえステキな山でした。下山の時はすでに、私はボロボロでしたが、とっても良い山行でした。リーダー、皆さんの優しさが心にしみた一日でした。
(MK)
★常磐線で2時間、水郡線で1時間強、バス10分でやっと袋田の滝に到着。自身3度目の袋田の滝です。月居山は初めてで、とても楽しみにしていた山でした。大楠山、南高尾と続けての参加のためか、登りの階段はそれほど苦にはなりませんでしたが、下りきったところで、足に疲れが出てしまいました。
(W)
★ここはどこ?と思うようなテーマパークばりのトンネルをぬけると、袋田の滝が現れ、きれいな水の流れに癒されました。また眺望のいいところで食べるお昼ごはんは格別でした。穏やかな秋晴れの中、良い時間が過ごせたことに感謝です。
ありがとうございました。
(Y)
★「袋田の滝」は生まれ故郷に近いこともあり、過去に数度訪れたことがある。
故郷に似た料理の刺身コンニャク、けんちん汁、手打ちうどん、蕎麦などをふるまう店が滝までの沿道に立ち並び、この地での遠い昔の母親との温かい食事の記憶がよみがえった。
そんな物見遊山の気分はここまでで、今回初めて吊り橋を渡ったのだが、断崖にへばり付くように急角度の鉄製の階段が設えてあり、ここに迷 い込んだ滝見見物客に挑み掛かるようにそびえていた。
規則正しい踏み段の鉄製階段をこなすと、踵が掛かりきれない踏み幅の短い石段とコンクリ階段の急登の連続追い討ちに苦しんだ。
途中から折り返してきた観光客の若者達の挑戦にも、あざ笑うかのごとく『ゲッ、コワッ』との感想を引き出す程。決して下りに利用すべきではな い。
難所をこなすと、昼食予定の前山手前なのだが、絶好の見晴台が現れ、大休憩を兼ねて皆の総意で食事。
ここからは体力が回復し、傾斜も緩やかになり、リズミカルに歩を進めて『もうそろそろ楽しみも終わってしまうのかな?』と思ったが、本日のメー ンイベント「月居山」山頂攻略がロープ、鎖、木の根を用意して待っていた。
思いがけず、久しぶりの充実登山を味わい尽くして緩やかコースに下山。
無事の下山のミニ反省会も経て、空模様の急変も回避し、好運を感じる1日となりました。
※それにしてもこのところ思いがけず、充分手応えを感じるプランに巡り会う。観光地とばかりに捉えてしまったせいだ。山はそんなに甘くはないと反省している。事前の研究が必要だ。
(ヤマジジイ)
★袋田の滝に着くまでは曇りがちの天気が、到着すると雲一つない晴れ間が広がり日本三大瀑布の一つである袋田の滝がより一層素晴らしく見えました。天候に恵まれ月居山のハイキングコースを快適に歩くことが出来、気持ちの良い一日を過ごすことが出来ました。リーダーの下田さん始め皆さんありがとうございました。
(S)
★今回は歩くより電車に長く乗り、ちょっと腰にすわり痛みが走りました。滝の観光に1時間、山歩き2時間で、紅葉は色づきはじめかな。
1日仲間と楽しく過ごせました、リーダーさんありがとうございます。
(S.A)
★一度見てみたかった袋田の滝は、水量はそこそこでしたが、四段それぞれに表情があり飽かず見とれてしまいました。滝観光の後は地獄の階段上り。なかなかの登り応え。色づき始めた木々の葉や、澄んだ空にくっきりと遠くの山の端が蒼く美しかったこと。遥々やって来て良かった! 雨上がりの車窓からは、遠く沈みかけた夕日が雲間をすり抜け、幾筋もの光の矢を放つ、何とも幻想的な光景のご褒美をもらいました。
苦あれば楽あり。やっぱり楽しい! 皆さんありがとうございました。
(なぜか喉がかすれたとむちゃん)
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コース記録
JR上野駅7:02発==(常磐線快速)==9:01水戸駅9:23==(水郡線)==10:32袋田駅10:37==(バス)==10:44楠本
楠本バス停10:55発===滝入口11:05===袋田の滝観賞11:45===吊り橋11:50===生瀬滝展望台分岐12:15===12:40前山手前の岩稜(昼食)13:20===月居山分岐13:40===13:55月居山14:00===滝見橋14:40着
楠本1530==(バス)==15:37袋田駅15:58==(水郡線)==17:14水戸駅17:34==(常磐線快速)==19:45上野駅