足柄の山は快晴、富士の嶺に見惚れ、〆は工場直送生ビール
矢倉岳 870m 2019年11月16日
深まる秋に二兎も三兎も追う企みで企画した足柄山系の矢倉岳だったが、猛烈な台風の相次ぐ襲来で、計画の練り直しを余儀なくされた。
当初は、標高差の少ない足柄万葉公園側から山頂を目指す予定のところ、山道が至るところ崩壊し、加えて登山口までの県道も復旧の見込みがないことで、山頂をはさんで東側の矢倉沢の登山口からスタートすることにした。この結果、標高差は一気に3倍も増えて上り下り600mを超えることになった。距離的にはさほどではないものの、金太郎のふるさと足柄山は急登もあり、予想以上にこたえたメンバーも多かったかもしれない。
久しぶりのバスハイクで車内は早くもハイテンション。ほぼ定刻に箱崎のインターに入り、土曜日の渋滞の東名を抜けて、目的地の矢倉沢公民館には午前9時15過ぎに到着。「うーん、兎追うには微妙な時間だなぁ」と独りごちた胸の内はさておいて、いつものように準備体操をする。矢倉沢は、ちょうどあちこちの畑で「ざる菊」が真っ盛り。稲刈りが終わった畑に数千本の小さな菊がびっしりと重なり合い、まるでざるを伏せたような形から「ざる菊」と呼ばれる。色とりどりのざる菊や里山の原風景を楽しむ散策グループと二手に分かれて、早速出発した。
イノシシ除けの金網柵を通り抜けて山道に入る。台風で荒れた登山道は、だいぶ修復され、歩きやすくなっていたが、あちこち大小の枝や葉っぱが落ち、それらを踏みしめるように歩を進めていく。木々の間を縫うようにして伸びる山道は、どこまでも登り一辺倒だ。上がるにつれて傾斜もきつくなる。それでも、秋の山道は、しっとり落ち着いていて気持ちがいい。ススキの穂が揺れている。見上げると、青い空が広がり、木々の葉も黄色く色づき、深まる秋を感じさせる。
杉林のジグザクの急登を過ぎ、「水源の森」と書かれた森をさらに進むと、雑木林の尾根道へと続く。なかなか山頂が見えてこない。もうそろそろだろうと見上げると、やっと山頂近くの傾斜のきつい木の階段が出てきた。さあ山頂だ。展望が開けたと思ったら、真っ正面に冠雪の富士山の姿がいきなり目に飛び込んできた。山頂には、すでに10人ほどのグループがいて、座り心地が良さそうな草の上にシートを広げて、お弁当を食べている。
大きな真っ青な空、たたなづく四囲の山並み、少し汗ばんだ肌に触れる秋風のそよぎ、この感触はやはりこの時期、この季節のものだ。足柄平野の向こうに、もくもくと噴煙を上げている箱根・大涌谷も見える。万葉の旅人も、こうした情景に感動を新たにし、歌に詠みこんだことだろう。
あまり長居出来ないため、軽食を食べた後、一気に下ることにする。今度はうってかわって下り一辺倒だ。足柄の山並みに別れを告げ、滑らないように注意して、同じ雑木林の山道をひたすら下る。
1時間ほどして登山道に戻ると、散策組が出迎えてくれ、改めて全員無事合流だ。
さて、ここからは「二兎」を追うべく、まずはバスに乗車し、町営温泉「さくらの湯」で汗を流す。玄関先に桜の木が多く植えられている。ここも台風のため、ひところ断水状態が続いていた。幸い2週間前に再開したことから、我々も何とか風呂につかることが出来た。
山歩き、そしてお風呂、と来たら、仕上げは、風呂上がりのビールをおいてほかにはない。「三兎」目は近くにあるアサヒビール神奈川工場併設のビール園に立ち寄り、工場直送の生ビールだ。予定通りの時間配分で予約席に手際よく着席し、それぞれキンキンに冷えた生ビールを流し込んだ。わいわいがやがや1時間余。隣の物産館で地元の野菜などを買い込み、足柄の里をあとにした。(G)
<参加者のひと言>
★久々の山行で楽しみにしていました。
天気は最高、景色も最高で心配していたお風呂にも入れて美味しいビールも飲め、とても充実した山でした。
矢倉岳は意外と急登が続き久しぶりに明日は筋肉痛かな。
(性格の良い日野富子)
★雲一つない青空、富士山の雄姿
大涌谷の噴煙を見て、改めて山は天気次第だなと感じました。
それと、宮瀬さんお誕生日おめでとうございます。
(海老原)
★当初からエピソード満載の楽しいバスハイク。
天高く、雲ひとつない快晴。気分は上々。
登り始めから山頂まで登り一辺倒、良い汗かいた。
頂上ではドーンと見事な富士山がお迎えしてくれた。最高のご褒美を貰った気分。
気持ちいい温泉で汗を流しと美味しいフレッシュなビールを頂く。う?ん、染み渡る!!
お陰さまで充実した良い一日でした。
リーダー、会計の内田さん本間さんお世話になりました。
(e-jan)
★台風に因る登山道の通行止めよって計画の変更に始まり、当日は天候には恵まれたものの行き帰りの高速道路の渋滞。日帰り温泉さくらの湯には道に迷いながら何とか到着。夕方6時までに東京に帰らなければならない制約、など幾多の困難にも拘わらず、何とか無事計画通りに山行を終えることが出来たのもリーダーのおかげです。富士山が素晴らしく、レストランの食事も美味しかったです。
(S)
★9月末の白馬乗鞍岳以来の久しぶりの山行だったため、標高差600m強の登り/下りはちょっと疲れた。でも山頂からの展望は最高に素晴らしかった。青空のもと富士山や金時山、明神ヶ岳、等々の山並みがくっきり見えた。メンバーの笑顔も素敵だ。疲れor満足感or飲み過ぎ(?)で帰りのバスでは久しぶりにウトウトしてしまった。
(白毛門)
★仲間の皆様、元気を頂き、ありがとうございました。
(平野)
★仲間の笑いでいっぱい。本当に久しぶりのバスハイク。岡田さんとも懐かしい。ざる菊の美しさを堪能し、里山を散策できた一日。有り難う!ございました。(りんどう)
★私まだ山に登れるな!と嬉しくなる山行となりました。ヒーヒ言いながらの登りでしたが、山頂での眺めは感動的でした。脂肪を落として筋肉つけよう!なんて思っています。仲間の皆さん本当にありがとうございました。
( 梅子)
★久しぶりの山行で心ウキウキ。
快晴の中やっとのことで登ると 雪化粧の富士山が迎えてくれました。
裾野まで見えて感激です。お風呂にも入れて、極上のビールでした。
バスの中は小さい話しから、大きな話まで、楽しい会話のキャッチボールでした。
最高の山日和にバンザイ。
(MUツムラ)
★久しぶりの山行、そして久しぶりのバスハイクでした。天気に恵まれて、頂上では素晴らしい富士山を見ることができました。
温泉で汗を流し、アサヒビール園のレストランで飲んだビールは美味しかったです。
帰りのバスの中は、いつもの通り笑い声で一杯でしたね。
次の日はお決まりの筋肉痛と戦いましたが、皆さんとまた一緒に行けるのを、楽しみにしています。私の落とし物を取りに行ってくれたメンバーはもちろん他のメンバーの皆さん、お世話になりました。そして私を若返らせてくれたリーダーには感謝致します。
(KM29)
★貸切バスでの山登り、天気は快晴、足取りも軽く楽しい山登り、山頂は富士山が綺麗な姿を見ることができました。アサヒビール工場で冷えたビールを飲み、楽しい一日でした。
(S.A)
★矢倉岳を味わういい日
里から始まる登山道を歩く。
空気は、冷たくもなく暖かくもなく、すこしばかり汗ばむ背中を、冷やしてくれた。
天は青く、日射しが葉を落とした広葉樹木の間から入ってくる。柔らかく明るく気持ち かるい。
足元の落ち葉は、湿ることもなく、乾きすぎることもなく、絨毯のごとく足音を吸い込んでしまう。が、歩く実感は充分にある。
おおー、メジロが鳴いている、ふたつーみっつ、軽く聞こえた。しかし、すぐまた静かに浮いてただようようなほほんとした空間に戻った。
熊であるなら、冬ごもり前の食いだめに、精出す日よりかなぁ。やがてくる厳しいときをやりすごしていくよう。
それにつけても、ひとは、ビール、ビールとなぜ急ぐ。
それはそれながら、われにもまた、こころさわぐビールであるなり。といわん。
(K)
コース記録
箱崎インター6:35=(首都高、東名高速道路)=大井松田インターから一般道へ。県道78号線経由、足柄街道に入り、9:15矢倉沢公民館。(全員、バスから降車)
【山組】
矢倉沢登山口9:20…10:55矢倉岳11:20…12:20矢倉沢登山口
【散策組】 (矢倉沢里山さんぽコース)
*12:10 山組と里山組が合流(矢倉沢公民館駐車場) 全員バスに乗車
矢倉沢公民館12:25=12:40山北町健康福祉センター「さくらの湯」13:40=14:00アサヒビール神奈川工場15:15==17:30都内へ
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